今季の明治安田J2リーグで、一時は10位まで順位を落としていたV・ファーレン長崎が、ここにきて自動昇格圏まで順位を上げている。その中で昨季同様にゴールを量産して異彩を放つマテウス・ジェズス。J1でも活躍できるポテンシャルを備えていることは明白で、問題はどこのユニフォームを着ているか、となる。(取材・文:ショーン・キャロル)
混戦のJ1昇格争いで浮上してきたV・ファーレン長崎
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ジェフユナイテッド千葉と水戸ホーリーホックは、今年のJ2でそれぞれ首位を独走する時期があったが、2025シーズンの最終盤に差し掛かる今、どちらも決定力に欠ける印象があり、代わりにV・ファーレン長崎が首位でゴールラインを越えるだけの力を備えているように見える。
千葉や水戸のように、この7か月間で快進撃を見せたかと思えばつまずいて立て直しを迫られる、という浮き沈みを繰り返すクラブがある一方で、長崎は38試合のシーズンを短距離走ではなくマラソンと捉え、常に安定を保ちながら先頭集団を射程圏内で追い続けてきた。
シーズン開幕から6戦無敗でスタートした後、長崎は7試合勝利なし(うち4敗)とスランプに陥ったが、その最後の敗戦となった4月25日のいわきFC戦(ホームで3-4の乱戦)以降は一貫して安定感を示し、直近19試合でわずか1敗しかしていない。
その好調ぶりは、6月に高木琢也が下平隆宏の後任として監督に復帰した際にも途切れることはなかった。
当時、下平に対する交代人事はやや厳しいように映った。実際、下平は8試合で1敗しかしておらず、その敗戦も好調の水戸を相手にしたものだったからだ。しかし高木の復帰は、クラブにとって誰もが期待する以上の成果をもたらした。
