明治安田J1リーグ第33節、鹿島アントラーズはガンバ大阪とスコアレスドローに終わり、2位以下との差を広げることはできなかった。81分に鈴木優磨との交代でピッチに投入された荒木遼太郎は、停滞していた攻撃にリズムをもたらした。今季ベンチから外れる時期を経験した荒木は、残り5試合でどのような輝きを見せるのだろうか。(取材・文:元川悦子)
ガンバ大阪の徹底した対策に苦しんだ鹿島アントラーズ

【写真:Getty Images】
2025年J1も最終盤に突入。一足先に行われた4日の第33節で、2位につけていたヴィッセル神戸が浦和レッズに苦杯を喫し、3位の京都サンガF.C.も川崎フロンターレにドローと足踏みを強いられた。
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4位・柏レイソルは横浜F・マリノスに勝って3ポイントを上積みしたものの、首位を走る鹿島アントラーズが5日のガンバ大阪戦に勝ち切れば、上記3チームとの勝ち点差が7に広がるという状況となった。
鹿島にとっては絶好のチャンス。しかも、今回はホーム・メルカリスタジアムでの一戦だ。鬼木達監督は4−0で大勝した前節・名古屋グランパス戦で出場停止だったキム・テヒョンを戻し、それ以外は同じ陣容で挑んだ。
名古屋戦で負傷交代し、状態が懸念されていた鈴木優磨、レオ・セアラの両エースも予想外の早い回復を見せ、先発に名を連ねてきた。
対するガンバは2日のアジアチャンピオンズリーグ2(ACL2)・ラーチャブリー戦から中2日。その試合にスタメン出場したエース・宇佐美貴史らを温存。7人を入れ替えてスタートした。
超過密日程のガンバは普段の4バックではなく、5バック気味の3−4−2−1を採用。鹿島の2トップを徹底的に消しに来た。
さらに岸本武流、黒川圭介の両ウイングバック(WB)がサイドを崩し、中を攻略するという意図も鮮明で、前半の鹿島は思うようにチャンスを作れない時間帯が長く続いた。得点の匂いが感じられたのは、前半ラストのチャヴリッチと鈴木優磨のシュートチャンスくらい。