鹿島アントラーズは、これまで数多くのタイトルを獲得してきたJリーグ屈指の名門クラブである。「常勝軍団」と呼ばれ、黄金期を築いた彼らの歴史の中で、特に強さを発揮したシーズンはいつだったのだろうか。今回は「強い鹿島」を体現したシーズンをフォーメーションとともに紹介する。[1/5ページ]
1996シーズン
監督:ジョアン・カルロス
主な獲得タイトル:Jリーグ優勝
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1994年に、Jリーグ発足時からチームを牽引してきたジーコが引退し、現役ブラジル代表のレオナルドが加入。翌1995年には、同じくブラジル代表のジョルジーニョが加入した。
チームの新たな柱とともに、クラブが次のフェーズに進もうとしていたのがこの1996シーズンだ。
指揮を執ったのは、ジョアン・カルロス監督だ。ジーコはテクニカルダイレクターとして再び鹿島に帰還した。
創設4年目となったJリーグは、制度が大きく変更された。それまでは2ステージ制を採用していたが、このシーズンは現行のような2回戦総当たりの1シーズン制が実践された。
勝利チームに勝ち点「3」が与えられていたことは現行と同じだが、PK戦での敗戦に「1」が与えられていたのが特徴的だ。これが鹿島に栄光を手繰り寄せることとなる。
開幕から安定した戦いぶりを見せていた新生チームだったが、夏にレオナルドがパリ・サンジェルマン(フランス)に移籍。
大打撃になり得る主力の流出だったが、高卒ルーキーの柳沢敦が台頭し、熾烈な優勝争いに食らいついていった。
最終的にリーグ優勝候補は、鹿島、横浜フリューゲルス、そして名古屋グランパスエイトの3チームに絞られる。
最終節終了時点で3チームが21勝9敗で並ぶ白熱のデッドヒートとなったが、9敗のうち3試合がPK戦による敗北(=勝点1獲得)だったことで、鹿島が勝点差で他クラブを上回り、悲願の初優勝を果たした。
PK戦が明暗を分けたこのシーズン、鹿島は“勝負強さ”を見せつけた。ここからクラブは「常勝軍団」への道を歩み始める。
1996年の成功は、翌1997シーズンのナビスコカップ(現・YBCルヴァンカップ)優勝と天皇杯制覇へと繋がり、まさに黄金期の幕開けを告げる1年である。
●基本フォーメーション
▽GK
古川昌明
▽DF
内藤就行
奥野僚右
秋田豊
相馬直樹
▽MF
増田忠俊
ジョルジーニョ
本田泰人
鬼木達
▽FW
眞中靖夫
マジーニョ
