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「ここにたどり着いたからには…」津久井匠海がジェフユナイテッド千葉で歩む“正解の道”「自分には失うものはない」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Shota Sato,Getty Images

ジェフユナイテッド千葉、津久井匠海
ジェフユナイテッド千葉の津久井匠海【写真:編集部】



 ジェフユナイテッド千葉は17日、千葉市内のクラブハウスで新体制発表会見を行った。今オフ、千葉に加入した津久井匠海は、一度は遠ざかったはずの場所へ、自らの足でたどり着いた。選択のたびに賛否を背負いながらも、立ち止まらずに前へ進み続けた23歳は今、J1という新たな扉に手をかけようとしている。(取材・文:藤江直人)[1/2ページ]
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「ここにたどり着いたからには…」

ジェフユナイテッド千葉、津久井匠海

新体制発表会見で意気込みを語るジェフユナイテッド千葉の津久井匠海【写真:編集部】

 振り返ってみれば、まるでジェットコースターに乗っているような軌跡を描いてきた。

 わずか1年あまりの間に、自らがプレーするカテゴリーをJ3からJ2へ上げただけではない。ジェフユナイテッド千葉に電撃移籍した津久井匠海は、一度は扉を閉ざされたはずのJ1の舞台に立とうとしている。

「自分としては自分にできるプレーを精いっぱい、本当に全力でやってきただけでした。他のみんなもそうですけど、僕たち選手はピッチの上でしか自分が積みあげてきたものを表現できないので」



 千葉市内のクラブハウスで17日に行われた千葉の新体制発表会見。昨年12月のJ1昇格プレーオフ準決勝で敗退したRB大宮アルディージャから、そのときの対戦相手で、17年ぶりにJ1へ復帰する千葉へ加入した23歳のアタッカーは激動の日々を振り返りながら、プロ7年目で初めて挑むJ1への思いに言及した。

「J1の舞台でプレーできるのは本当に素晴らしいこと。もちろん当たり前のことではないと思っているので、ここにたどり着いたからにはどんどん自分の持ち味を出して、チームのために全力で頑張っていきたい」

 1年前のいまごろは水戸ホーリーホックの新加入選手として、J2でのデビューへ胸を躍らせていた。

史上で初の快挙から一転JFLへ「腐ったら終わり」

アスルクラロ沼津、津久井匠海
アスルクラロ沼津時代の津久井匠海【写真:Getty Images】

 中学卒業後に加入した横浜F・マリノスユースで、高校卒業を待たずしてプロ契約を結んだのは3年生だった2020年6月。ユース所属選手がトップチームへ昇格するのは、マリノス史上で初の快挙だった。

 しかし、一度も公式戦のピッチに立てないまま、翌2021シーズンに日本フットボールリーグ(JFL)のラインメール青森へ期限付き移籍。2022シーズンもマリノスへの帰還は果たせなかった。

 同シーズンにマリノスは5度目のJ1リーグ制覇を果たしている。対照的に希望に満ちあふれていたはずの自分は、J1から数えて“4部”にあたるJFLでプレーしている。当時の心境を津久井はこう振り返る。


「自分としては下というか、自分が思い描いていた道とまったく違う場所へ一度行って、本当にサッカーを辞める……辞めなきゃいけない状況にもなりかけて、そのときに『腐ったら終わりだ』と気づいたので」

 2023シーズンには期限付き移籍先をJ3のアスルクラロ沼津へ変えた。ここで運命的な出会いがあった。日本代表で一時代を築いたストライカーで、この年に就任した中山雅史監督の教えが津久井を変え始めた。

「いまではそれらが、自分の体に…」

津久井匠海

水戸ホーリーホック時代の津久井匠海【写真:Getty Images】

「相手ゴール前への入り方やタイミングとか、相手ゴールへのボールの流し込み方とか、本当に基本的なプレーを毎日のように練習しました。いまではそれらが、自分の体に染みついています」

 翌2024シーズンには沼津へ完全移籍。マリノスを介して「僕のサッカー人生は終わったわけではなく、まだまだ始まったばかりです」と力強いメッセージを残した津久井は、J3で9ゴールをマークした。

 沼津での主戦場は右ウイング。ゴールを奪う能力だけでなく、身長180cm・体重75kgのサイズをフルに生かした、ダイナミックで力強いプレースタイルが水戸の求めるサイドアタッカー像と一致した。



 水戸の右ウイングバックに文字通り君臨し、初めてプレーするJ2で攻守両面において群を抜く存在感を放った昨シーズンの前半戦。津久井は「沼津から自分を拾ってくれた」という思いを抱いてプレーした。

「J2で戦わせてくれた感謝と、ファン・サポーターのみなさんの応援があっていまの僕が絶対にある」

 しかし、6月の移籍期間が訪れるとともに状況が一変する。J2の上位を争っていた大宮への電撃移籍は、決して小さくはない波紋を招いた。津久井自身も水戸のクラブ公式ホームページでこんな言葉を綴った。

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