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J1 13時間前

仙台での3年間が郷家友太を変えた。だから、自信をもってヴィッセル神戸に帰ってきた。「本当に気持ちの部分が…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Etsuko Motokawa,Getty Images
ヴィッセル神戸、郷家友太

ヴィッセル神戸の郷家友太【写真:元川悦子】



 指揮官交代という大きな転換点を迎えたヴィッセル神戸。その新たな船出のタイミングで、郷家友太は再びクラブに戻ってきた。ベガルタ仙台で過ごした3年間で得たのは、数字だけではない確かな自信だ。ベテランが並ぶチームの中で、郷家はどのような進化を見せようとしているのか。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]
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「パーフェクトないい準備ができた」

ヴィッセル神戸、郷家友太

ヴィッセル神戸の郷家友太【写真:元川悦子】

 2022年6月から3年半にわたって続いた吉田孝行監督体制が昨シーズン限りで終焉を迎えた。

 2026年からはミヒャエル・スキッベ監督率いる新チームへと移行したヴィッセル神戸。サンフレッチェ広島で2022年と2025年のJリーグYBCルヴァンカップのタイトルを獲得し、毎年のようにJ1優勝争いを演じた名将の招聘ということで、さらなる躍進への期待が高まっている。

 メンバーを見ても、昨季清水エスパルスで全試合に出場した37歳のベテラン・乾貴士を筆頭に、柏レイソルの快進撃の一翼を担ったジエゴ、横浜FCの最終ラインをリードしたンドカ・ボニフェイスなど即戦力を補強。2月から始まるJ1百年構想リーグとAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)の掛け持ちに備えつつある。

 彼らは1月11〜24日に沖縄キャンプを実施。すでに本拠地・神戸に戻っているが、今年は大迫勇也、武藤嘉紀、酒井高徳、扇原貴宏、権田修一といった30代の主力級がケガなしで全体練習を消化。そこに底抜けに明るい乾も加わり、チームの雰囲気は上々だ。



 1年前の開幕前は負傷者続出で、吉田前監督が「公式戦を戦える選手がいない」と嘆いていたが、スキッベ監督は「プレシーズンが4週間しかない中でもパーフェクトないい準備ができた」と笑顔を見せていた。

 ここから6日の京都サンガF.C.との特別大会開幕戦に向け、チームのブラッシュアップを図っていく構えだ。

 そのチームに4年ぶりに復帰したのが、郷家友太だ。

 青森山田高校から神戸に加入したのは、アンドレス・イニエスタがチームに加わった2018年。神戸で5シーズンを過ごした後、2023年の初めにベガルタ仙台へ移籍していた。

「自分も20代後半に差し掛かりましたし…」

ベガルタ仙台 郷家友太
ベガルタ仙台で3シーズンプレーした郷家友太【写真:Getty Images】

「ジュニアユース時代にお世話になった故郷のクラブをJ1に戻したい」という一念でカテゴリーを下げる決断をしたのだ。

 そこから3シーズンを戦い、2024年にはJ1昇格プレーオフ決勝まで勝ち上がったが、最終的にファジアーノ岡山に敗れ、トップカテゴリーへの昇格はならなかった。

「自分も20代後半に差し掛かりましたし、もう一度、J1にチャレンジしたいという気持ちがあった。そういう中でこの決断に至りました」と郷家は沖縄で偽らざる本音を吐露した。

「久しぶりに戻ってきて、半分近くの選手は知ってますけど、やっぱりスタッフも選手も変わっている。『古巣に戻ってきた』というのはありますけど、また新鮮な気持ちでやれているので、それを楽しみながら、早くみんなの特徴をつかめるようにと思って、今は取り組んでいます」


 今の神戸は乾や大迫ら2018年FIFAロシアワールドカップ(W杯)参戦のベテランがズラリと並んでいる。

 キャンプ最後の公開日だった23日の鳥かご練習を見ても、彼らに井手口陽介、岩波拓也らを加えた年長者が一堂に集まり、ワイワイ楽しくやっていた。

 郷家は同期の佐々木大樹ら中堅メンバーとボールを蹴っていたが、今季以降は彼ら20代が絶対的中心に飛躍していかなければいけない。それは本人も強く感じている部分だという。

自負する「他の選手にない部分」

ヴィッセル神戸の郷家友太【写真:Getty Images】

「大樹とは同期ですし、一緒に切磋琢磨していきたい。お互いに結果を出しながら、気づいたら神戸の力になっているというのが一番の理想ですね。

 今はベテランの人数もかなり多いですし、下からの突き上げっていうところは大事になってくる。僕らが近い将来、中心になってやれるくらいになればいいと思うんで、本当に結果にこだわっていきます」と郷家は改めて気合を入れた。

 仙台ではアタッカーやFWとして起用され、2023年に10得点、2024年に5得点を記録。2025年には10得点と確固たる実績を残してきた彼だが、神戸では4−3−3のインサイドハーフが主戦場になりそうだ。

「仙台では昨季後半はFWをやっていたので、ちょっと景色が変わるのは確か。その感覚をつかむために今は勉強中ですけど、慣れたらできると思う。そういう中で、高さは自分の武器の1つですし、得点やペナルティーエリア(PA)に入っていくところは他の選手にない部分。それをピッチ上で出しながら、ゴールで違いを見せたいですね」



 前回の神戸時代はボランチやダイヤモンド型の中盤の右MF、右サイドアタッカーなど多彩なポジションを経験したが、仙台で磨き上げた得点感覚というのは非常に大きな強み。

 勢いを持って前線に飛び出し、ゴールに突き進んでいける大胆さは、乾や井手口、井出遥也といった他のインサイドハーフの選手と上回っているところ。

 それを遺憾なく発揮していけば、スキッベ監督も郷家を重用するようになるはずだ。

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