湘南ベルマーレは1日、ベルマーレクラブカンファレンスを行い、その後に塩田徹代表取締役会長、大多和亮介代表取締役社長、眞壁潔取締役が報道陣の取材に応じた。J2から再出発を図る湘南は、オフに社長と会長が交代に。責任企業との関係を巡る一連の騒動を受け、経営方針などについて説明が行われた。(取材・文:加藤健一)[1/2ページ]
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報じられたライザップと湘南ベルマーレの問題への釈明
会見では昨年末以降続いてきた経営を巡る混乱について改めて説明された。責任企業であるRIZAPとの関係、眞壁潔氏の取締役辞任の経緯、そして昨夏に集中した海外への主力流出について、これまで断片的に報じられてきた点が、一定程度整理される場となった。
一部で報じられた責任企業とクラブ側の対立の構図について、眞壁氏はまず強く否定した。
「胸ぐらを掴んで喧嘩をしたわけではありません。塩田会長とは割と波長が合いますし、冷静に話ができました」
塩田会長と眞壁氏は、感情的な衝突ではなく、「ベルマーレのために何が必要か」「RIZAPは何をしたいのか」を改めて話し合ったという。
その中で浮かび上がったのが、意思疎通の不足だった。
眞壁潔取締役辞任の理由とは
「やっぱりお互い、少し会話が少なかったかな、という反省がありました」
象徴的なのが、昨年行われた総額6億円とされる複数回の短期融資(クラブから親会社への資金貸付)だ。
眞壁氏は自らも「役員会では利益を受ける前提で賛成している」としたうえで、「無理やりやらされたわけでも、そこで反対して喧嘩をしたわけでもない」と説明する。
一方で問題意識として語ったのは、その是非ではなく、それが繰り返されてしまうことだった。
「同じことを繰り返していいのか、というテーマがありました。市民の皆さんからお預かりしているお金が入っている中で、それを融資に使うのはいかがなものか、ということを率直に申し上げた」
この率直な意見を対外的に発したことで、一部メディアを通じて「対立」「騒動」として受け止められた側面もあるが、眞壁氏は「実態は冷静な話し合いだった」と強調した。
その流れの中で焦点となったのが、眞壁氏自身の取締役辞任だ。
昨年11月28日の取締役会で、代表取締役会長だった眞壁氏と代表取締役社長だった坂本紘司氏がともに取締役に降格となっていた。
「私にも賛成した責任があります。だから、去年のカンファレンスで最後に、責任を取って役員を辞任しますという話をしました」
辞任は、特定の人物や親会社に責任を転嫁するものではなく、これまで支えてきたサポーターや地域、関係者へのけじめだという。
「ライザップさんがどうこうという話ではありません。今までお付き合いしてきた皆さんに対して申し訳ないという気持ちです」
あらかじめ予定されたプロセスとして、日付を区切って辞任することが決まっていると説明し、「誤解をしないでほしい」と理解を求めた。
疑惑を呼ぶ移籍金6億円の経緯
もう一つの大きな論点が、昨夏に畑大雅、福田翔生、鈴木淳之介の3選手が相次いで移籍し、結果的に約6億円規模の移籍金収入が計上された点だ。
この数字が「意図的に作られた」「経営の辻褄合わせではないか」との見方もある中、眞壁氏は現場感覚を交えながら否定した。
「今の時代、売りたくて売れるものじゃないんです」
国内移籍なら成立する可能性はあるが、海外移籍となると話は別だと眞壁氏は言う。
成立するのは、違約金設定を超えるオファーが来た場合のみであり、その場合は「本人が行きたいと言えば、止められない」。
実際、3選手についてはいずれも違約金設定を上回るオファーだったと明言した。さらに、鈴木淳之介については、眞壁氏自身が説得を試みたことも明かした。
「遠藤航の例を出して、もう一年我慢してやったらどうだ、と話しました。でも本人は、チャンスがあるなら行きたいと」
海外で活躍する同年代の選手が代表に選ばれていく現実を目の当たりにしていた。若い選手ほど決断が早い――それが今の時代だという。
では、なぜ決算上「6億円近い数字」が見込まれたのか。



