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J1 4時間前

「今のウチのサッカーは…」横浜F・マリノス、“ベンチスタート”の天野純は何を思ったのか。「そこは間違いない」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images,Noriko Nagano

横浜F・マリノスの天野純
横浜F・マリノスの天野純【写真:Noriko NAGANO】



 明治安田J1百年構想リーグ第1節が6日に行われ、横浜F・マリノスはFC町田ゼルビアと対戦し2-3で敗れた。開幕前にスタメン奪取への思いを強く話していたMF天野純だったが、この日はベンチスタート。途中出場から流れを変える役割は果たしたものの、チームの結果も相まって悔しさがあったはずだ。開幕スタメン落ちに本人が思ったこととは。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]
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「勝ちにこだわりたい」開幕戦だったが…

FC町田ゼルビアFWエリキ
横浜F・マリノスはエリキの2ゴールなどで前半だけで3失点【写真:Getty Images】

 2月6日という史上最速の開幕となった2026年の明治安田J1百年構想リーグ。昇降格のない短期の特別大会ではあるが、昨季J1残留争いを強いられた横浜F・マリノスにとっては、再起を賭けた重要な戦いに他ならないのだ。

「やっぱり勝ちにこだわりたい。勝利の責任を負わなかったら成長はない。つねにタイトルを狙える位置にいるのがマリノスであり、クラブの価値だと思う」

 8年連続キャプテンを務める喜田拓也も宮崎キャンプでこう語気を強めていたが、本当に強い集団であることを昨季の天皇杯王者・FC町田ゼルビア相手に本拠地・日産スタジアムで示さなければいけない。チーム全体が高い意欲を持ってこの一戦に挑んだはずだ。



 ところが、この日の彼らはフワっとした入りをしてしまう。

 開始早々の8分、渡辺皓太のタテパスを望月ヘンリー海輝にカットされ、ネタ・ラヴィからエリキにつながれ、そのままゴールされるという手痛い失点からスタートした。

 この8分後、ネタ・ラヴィのハンドでPKを得たマリノスは遠野大弥が同点弾を決め、瞬く間に試合を振り出しに戻したが、直後の17分にまたもミスからエリキに2点目を奪われる。

 この場面でエリキに猛烈アタックを受けた守護神・朴一圭がひざを負傷。交代を強いられるなど、ますます暗雲が立ち込める。

流れを変えた天野純「それを意識して…」

横浜F・マリノスの天野純
途中出場の天野純が流れを変えた【写真:Noriko NAGANO】

 さらに前半終了間際、相馬勇紀に華麗な直接FK弾を蹴り込まれ、前半終了時点で1-3。最終ラインを統率する角田涼太朗が「ガッカリしたというのが個人的な感想。前半3失点、しかも開幕戦で自分たちのミスでやってしまうチームが上に行けるのかと言われると、現時点では難しい」と苦渋の表情を浮かべたほど、45分間の試合運びは稚拙だったと言うしかないだろう。

 オリジナル10の名門がこのまま敗れることだけは許されない。彼らは意地とプライドを賭けて後半に巻き返しを図った。

 そのけん引役となったのが、64分から遠野と代わってトップ下に入った天野純。1トップのディーン・デイビッド、左FWテヴィスとともに攻撃陣を担った背番号40は、相手ボランチが捕まえ切れない立ち位置を取り、町田守備陣をかく乱していったのだ。

「自分がスペースに抜けて、深さを出して、1回起点を作る中で、他の選手がハーフスペースでポケットを取りに行く形にした方がスムーズに行くかなと。それを意識してやったら、相手のボランチは自分につき切れなくなると前半から感じていました」



 そう語るベテランアタッカーは積極的にアクションを起こし、周りを生かそうと試みた。

 それが結実したのが、67分の2点目。左サイドでポケットを取った天野は中に飛び込んできた加藤蓮にパスを出し、そこからディーン・デイビッドへ。

 期待の助っ人FWがタメを作り、ジョルディ・クルークスにつなぐと、背番号11は左足を一閃。非常に効果的な崩しから1点差に詰め寄ったのだ。

「相手の2ボランチは自分をマークしきれていないと思ったので、狙い通りでした」と背番号40はしてやったりの表情を浮かべた。

 この勢いでマリノスがさらにゴールを重ねられたらよかったが、あと一押しが足りなかった。

「今のウチのサッカーは…」

横浜F・マリノスの天野純
「最後のシュートシーンを決められれば、まさにセカンドトップ的な選手になれる。そこは間違いないですね」【写真:Noriko NAGANO】

 天野自身も試合終了間際にペナルティエリア内でドリブル突破から右足を振り抜いたが、シュートは枠の外。

「右足で持った時にちょっと距離もあったんで、クロスなのか、シュートなのか、自分でも中途半端な形になってしまった。あそこは練習しないといけないかなと思います」と彼は悔しさをにじませた。

 結局、そのままタイムアップの笛。マリノスは2-3で開幕戦を落とし、黒星発進。大島秀夫監督体制2年目の今季も厳しい幕開けを余儀なくされたのだ。

 天野自身も「昨季は良くも悪くも後半から出て流れを変える役割が多かった。でも今年は最初から出て活躍したい。しっかりと説得力を持たせられるプレーを見せないといけない」と開幕前にスタメン奪取への強い思いを口にしていたが、ふたを開けてみるとベンチスタート。ケガから復帰した遠野にポジションを奪われた格好である。

「今のウチのサッカーはセカンドトップ的な10番が求められていると思う。ボールを受けてどうにかするだけじゃなくて、スペースに流れて味方のスペースを作り出すとか、もうちょっとバージョンアップしないといけないなと感じます。

 最後のシュートシーンを決められれば、まさにセカンドトップ的な選手になれる。そこは間違いないですね」

 本人も自戒を込めて語っていたが、“ここぞという場面で点の取れるトップ下”になることが、先発への近道なのは確かだ。

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