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37歳で”イタリアの至宝”と並んだ男。地方クラブを渡り歩いたディ・ナターレの軌跡

text by 編集部 photo by セリエA通算205ゴールを記録したアントニオ・ディ・ナターレ【写真:Getty Images】

37歳で"イタリアの至宝"と並んだ男。地方クラブを渡り歩いたディ・ナターレの軌跡
セリエA通算205ゴールを記録したアントニオ・ディ・ナターレ【写真:Getty Images】

 アントニオ・ディ・ナターレは28日に行なわれたインテル戦で”イタリアの至宝”ロベルト・バッジョと並び立つ存在となった。この試合でゴールを決めた同選手はセリエA歴代得点ランキングで、バッジョと並ぶ「205ゴール」という記録を打ち立てたのである。

 歴代得点ランキングでディ・ナターレの存在は異彩を放っている。1位のシルビオ・ピオラ、2位のフランチェスコ・トッティ、3位のグンナー・ノルダール、4位のジュゼッペ・メアッツァ、5位のジョゼ・アルタフィーニ…そして、ディ・ナターレが並んだバッジョ。これらの選手は皆、ビッグクラブで活躍を収めた選手ばかりである。実際に、ディ・ナターレを除く得点ランキング10位までの選手たちが最も多くゴールを決めたクラブは「ユベントス」「ミラン」「インテル」「ローマ」「ラツィオ」「フィオレンティーナ」だ。

 ディ・ナターレはナポリに生まれ、ディエゴ・マラドーナに憧れて育った。14歳の時にサッカー育成に優れたエンポリに移り住み、同クラブの下部組織で成長すると1996-1997シーズンにプロデビューを果たした。しかし、出場機会に恵まれなかったディ・ナターレはその後レンタル暮らしを余儀なくされてしまう。イペラゾラ、ヴァレーゼ、ヴィアレッジョと武者修行に励むも結果は芳しくはなかった。

 同選手がストライカーとしての才能を開花させたのは、ヴェネツィアの北に当たるフリウリの地に移籍してからである。彼が31歳の時に、ウディネーゼで初めてシーズン20得点を達成したのだ。2009-2010、2010、2011シーズンに2年連続セリエA得点王に輝くと、以後5シーズン連続でシーズン20得点を達成している。

 そんなディ・ナターレも今季限りでの引退が濃厚とみられている。史上最も成功した地方クラブ選手のプレーを、ぜひ最後まで目に焼き付けていただきたい。

【了】

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