
ジュビロ磐田でプレーする藤原健介【写真:Getty Images】
明治安田J2・J3百年構想リーグ第5節が7日に各地で行われ、ジュビロ磐田は藤枝MYFCとの「蒼藤(そうとう)決戦」にPK戦の末に敗れた。1-1の同点から相手に退場者を出したが、数的優位を活かしきれず。途中出場の藤原健介は随所で可能性を示したが、今後の磐田を支えるキーマンになれるか。希少な10番タイプは自身の課題を見つめながら、手応えも口にする。(取材・文:河治良幸)[1/2ページ]
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数的不利の相手を崩せなかったジュビロ磐田

アウェイにかけつけたジュビロ磐田サポーター【写真:Getty Images】
“蒼藤決戦”とも呼ばれる藤枝MYFCとジュビロ磐田の一戦は1-1のまま90分で決着付かず。百年構想リーグの特殊レギュレーションであるPK戦の結果、ホームの藤枝が勝利。磐田は勝ち点1の獲得にとどまってしまった。
この試合で最初にリードを奪ったのは磐田だった。
相手のクリアボールを拾ったところから、川合徳孟を起点に、FW渡邉りょうがワンタッチで裏にパスを出す。これにシャドーのグスタボ・シルバが反応して抜け出し、右ワイドからシュートを決めた。
藤枝も左のクロスから2次攻撃を仕留める形で前半のうちに追い付くと、そのまま攻勢を強めた。
しかし、前半のアディショナルタイムに、藤枝は菊井悠介がレフェリーへの暴言で退場となり、後半は磐田が10人の相手を押し込む流れとなった。
それでも藤枝の粘り強い守備をなかなかこじ開けられない磐田。志垣良監督は77分、FW佐藤凌我と同時にMF藤原健介を送り出す。前節の福島ユナイテッドFC戦に続く、この大会で2度目の途中出場となった藤原はいきなりビッグチャンスを演出した。
中盤でボランチの井上潮音からパスを引き出した藤原は、前を向くと右足で相手のディフェンス裏に浮き球のロングパスを入れる。
そこに右サイドから川﨑一輝が飛び出してヘッドで折り返すが、前に詰めた佐藤が胸トラップからシュートに持ち込もうとしたところに、藤枝のGK北村海チディが勇敢なブロックで弾き出した。
「明確には意識していたプレーではないですけど…」

PK戦の末に敗れたジュビロ磐田の選手たち【写真:Getty Images】
崩しの形としてはほぼ完璧だったが、間一髪のところで勝ち越すゴールが生まれなかった。
藤原は「出る前から明確には意識していたプレーではないですけど、自分が入ったら一輝くんとか、ああいう動きをしてくれるので。味方が信じて走ってくれたら、そこに出せるなという感じです」と振り返る。
その後も磐田は藤原の正確な長短のパスが起点となり、サイドからのチャンスが増えていく。それでも10人ながら、5バックで守備を固める藤枝をなかなか崩しきれず、フィニッシュも精度を欠く形で時間が過ぎていった。
85分には藤原のFKからゴール前で混戦になったが、最後のところで藤枝のディフェンスにかき出されて得点にならず。
最終盤にはセンターバックの山﨑浩介が前線でFWマテウス・ペイショットと並ぶ形になり、そこに佐藤や川﨑も絡んでゴールに迫った。
後半アディショナルタイムには右サイドの川﨑が折り返したボールをダイレクトの右足クロスで藤枝ゴールを脅かしたが、ディフェンスのクリアでコーナーに逃れられた。
最後は藤原のCKからのセカンドボールを植村洋斗がミドルシュートに持ち込んだが、クロスバーを越えると、試合終了の笛が鳴った。
藤原健介が考える攻めきれなかった理由

「蒼藤(そうとう)決戦」のワンシーン【写真:Getty Images】
「ああいう状況って結構難しくて。相手がゴール前で守備を固めている中で、ミドルシュートだったり、サイドからのクロスを効果的に入れようと思ってピッチに入ったんですけど。なかなかうまく行かず、得点に繋がらなかったというのは課題が残るかなと思います」
PK戦の結果もあり、藤原は残念そうに振り返るが、開幕3試合はベンチ入りも出場チャンスがなく、清水エスパルスとのトレーニングマッチなどで、地道にアピールを続けてきたところから、前節ようやく公式戦で起用された。徐々に信頼を掴んできている手応えは感じられる。
藤原も「みんな前節の結果もあって、ボールを集めてくれるようになって。本当にやりやすかったですし、そこでリズムを掴めた」と語る。
それでもチームに決勝点をもたらすことができなかった。
もちろん藤原に与えられた15分あまりの短い時間で結果を残すことは難しい。藤原が持てば良いボールが入ってくるというイメージは共有できていても、具体的なところでは周りのゴール前に入っていく動きなど、まだまだ明確になっていないところも見られた。
藤原は「やっぱり全員が意識を合わせることができていなかったと思うので。そこが足りなかったところじゃないかな。でも自分はやり続けるしかないと思うし、与えられた時間の中で、結果を残すことが大事かなと思います」と前を向く。
現在の磐田は4-4-2の守備から、攻撃では3-4-2-1に可変して、ウイングバックとシャドーが攻撃の鍵を握るような仕組みをベースに、徐々に攻撃のバリエーションアップを目指している。