明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンド第8節で、鹿島アントラーズはジェフユナイテッド千葉と対戦し、2-1で勝利した。この勝利で7連勝とし、中3日で行われた3連戦にも全勝。シーズン終盤や来季に控える過密日程を前に、濃野公人は頼もしさを増している。(取材・文:加藤健一)[1/2ページ]
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「ミスした後も…」濃野公人が指摘するマインドの問題
ジェフユナイテッド千葉戦。開始早々にエウベルのゴールで先制しながらも、その後は相手の連動したプレスに苦しみ、ビルドアップは停滞。自陣でのミスも重なり、チーム全体が消極的な選択へと傾いていった。
「先制したのが結構早い時間だったんで、ボールを落ち着かせるかどうか、曖昧になったときに相手のプレスを受けた。それで1回、2回とミスが起きて、崩れてしまった」
この日の鹿島は、ミスをきっかけにリズムを崩していった。ミスが重なる中でボールを受けること自体に慎重になり、結果としてさらに選択肢を狭めてしまう。悪循環だった。
鬼木達監督は試合後、「何回ミスしてもいいから、とにかくゴールへ向かう、自身を持ってボールを受ける。そういうものの繰り返しが本当に必要だったなっていう、そういうゲームでした」と総括している。
濃野公人はその負の連鎖に抗うように、アグレッシブな姿勢を見せた。
ボールを受けることを恐れず、タイミングを見て前へ出る。サイドバックというポジションでありながら、攻撃に厚みをもたらそうとする姿勢を最後まで見せた。
「ミスはみんなでカバーするからいいし、ミスした後もボールを受け続けるマインドが大事」
試合後、濃野はそう語っている。
「このサッカーをするにはミスがつきものだし、それをやっぱりみんなでカバーするのがルールじゃないけど、そういうのがあってこそ(実現できる)。それが今日は少なくて、停滞する時間があった」
濃野は飄々と話す。その根底には、これまで積み重ねてきた経験から来る自信も伝わってくる。
飛躍のルーキーシーズンと怪我との闘い
ルーキーイヤーの昨季、濃野は鮮烈なインパクトを残した。サイドバックながら9ゴール。ゴール前に現れるタイミングと大胆さで、異彩を放つ存在だった。
しかし、そのシーズンは突然終わりを迎える。
9月、湘南ベルマーレ戦で右膝外側半月板を損傷。長期離脱を余儀なくされた。
「3か月サッカーができないのは初めてだった」
迎えた2年目も、順風満帆とはいかず、4月に再び同じ箇所を痛める。
「最初はこんなに長くかかるとは思っていなかった」
膝の状態と向き合いながら、自分なりの最適解を探し続けた。6月に復帰。夏頃にはコンディションも上がり、徐々にパフォーマンスも上がってきた。
そして迎えた今季。その変化は、数字として表れている。
1試合平均のチャンスクリエイト数は、2024年の0.9、2025年の0.7から、今季は1.3へと大きく伸びた。単なる復調ではない。判断とプレーの質が高まったことで、攻撃への関与そのものが増えている。
数字が示す通り、濃野のプレーは次の段階へと進んでいる。
「去年よりは準備してきたって胸を張って言える」
「攻め上がるタイミングも掴めてきたし、走力もついてきた。個人的には悲観してはいない」
その背景には、余念のないコンディショニングの努力がある。
「(膝への不安は)ゼロではないですけど、試合に向けた準備は、去年よりは準備してきたって胸を張って言える」
身体のケア、コンディションの見極め、自分に合った準備。プロ3年目を迎えた今、その積み重ねがルーティンとなり、連戦でもパフォーマンスを維持できる状態を作り出している。
実際、9日間で3試合という過密日程でもフル稼働を続けながら、大きくパフォーマンスを落とすことはなかった。
「この3連戦は90分フルで出続けることを自分の中で目標としてきました」
その目標を自らに課した理由は明確にある。



