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J1 4時間前

苦悩の先にある輝き。清水エスパルス・中原輝はこのままでは終わらない「それができれば、スタメン争いに加わっていける」【コラム】

シリーズ:コラム text by 榊原拓海 photo by Getty Images
清水エスパルスMF中原輝【写真:榊原拓海】
清水エスパルスMF中原輝【写真:榊原拓海】



 清水エスパルスは4月1日、明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンド第11節でヴィッセル神戸に0-2で敗れた。ケガの影響でこの試合が今季初先発となった中原輝は、56分で交代。悔しさを滲ませながらも、現実を冷静に見つめていた。(取材・文:榊原拓海)[1/2ページ]
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早々に直面した苦難

清水エスパルスMF中原輝
【写真:Getty Images】

 中原輝にとって、2026特別シーズンは、逆境からのスタートだった。

 もっとも、鹿児島キャンプまでは順調だった。チームが吉田孝行新監督を迎え入れ、新たなサッカーの浸透に時間を費やすなか、どこか新鮮な姿でトレーニングに励む中原の姿があった。


 当時、中原は吉田監督のサッカーについて、「攻守の決まり事が明確で、それを1つ1つ覚えるため、ミーティングも回数を重ねています。今までとは異なる“できること”が増えている感じです」と口にしていた。

「今はまだはじまったばかり。みんなそうだと思いますが、考えながらやっているので、疲れる部分はあります。それが徐々に自然にできるようになっていければ」と、新シーズンを見据えていた。

 だが、鹿児島キャンプを終えて、チームが静岡に戻ると、中原は苦難に遭遇する。練習中に足の違和感を訴え、途中で引き上げると、そこから約1カ月半にわたって離脱を強いられる。チームが開幕直後から新たなサッカーを披露する中で、そのピッチに中原の姿はなかった。

不安を抱えたまま迎えた今季初出場

清水エスパルスMF中原輝【写真:榊原拓海】
清水エスパルスMF中原輝【写真:榊原拓海】

 今季初めてベンチに入ったのが、3月18日に行われた第7節のアビスパ福岡戦。PK戦の末に勝利したこの試合、中原に出番は訪れなかったが、続く22日のサンフレッチェ広島戦では72分からピッチに入り、今季初出場を果たす。チームが3点をリードしている中での投入で、ゲームをクローズする役割を担った。

 3連戦の最中だったこともあり、トレーニングマッチなどを経験しながら、段階を踏んで公式戦のピッチに戻ってきたわけではない。中原は「少なからず足の不安も抱えたまま迎えた今季1試合目でした」と振り返る。


 ポジションも、昨季まで主戦場としていた右WGではなく左WGだったが、これは鹿児島キャンプを含めて今季入ることの多かった位置。当時から、新監督の求める基準を理解しようと努めた経験があったからこそ、“やるべきこと”に迷いはなかった。

「チームとして、各ポジションに求められる役割、守らなければならない立ち位置はハッキリしています。そこに自分のできることを乗っけただけです。シンプルに考えてピッチに入りました」

 続く1日の神戸戦では、今季初の先発に名を連ねた。ポジションは、これまでのキャリアを通じてもっとも長くプレーしてきた右WG。だが、中原は個人として明確な見せ場を作れないまま、56分に嶋本悠大との交代でピッチを後にした。

「個人の問題はもちろんあります。特に…」

清水エスパルスMF中原輝【写真:榊原拓海】
清水エスパルスMF中原輝【写真:榊原拓海】

 今季のチームにおいて、右WGには求められるタスクは多い。シンプルにサイドから仕掛ける動き、浮いている相手を捕まえるプレスバック、そして中原がこの試合で最も重視していたと話す、「ロングボールの後のセカンドボールを拾うところ」など、多岐にわたる。

 これらの役割を事前に整理していようとも、そう簡単に実行できるわけではない。


 試合展開も相まって、中原は「セカンドボールを拾ってからの攻撃の形が今のエスパルスの強みですが、そもそも拾える場面が少なかった。チームとして、狙っていたことはほぼほぼできなかった印象です」と語る。

 チームはロングボールを用いて敵陣へ入ろうとも、最前線のオ・セフンがマテウス・トゥーレルと扇原貴宏に挟まれる場面も多く、簡単には競り勝たせてもらえない。結果として、敵陣でセカンドボールを拾える回数は、これまでの試合と比較すると明らかに減少。自然と敵陣で過ごす時間は少なくなり、徐々に自陣へ押し込まれる中で、全体のコンパクトさを欠いた。

 中原は「個人の問題はもちろんあります。特に、前で時間を作れなかったのは、前線の選手の責任でもあるので」と前置きしつつ、「チームとしては、特に前半、繋ぐのか蹴るのかがちょっと曖昧になってしまった部分はあります。蹴ったとしても、前の枚数が少なくて、コンパクトさが欠けているシーンもあったとは、個人的には思っています」と反省点を挙げる。

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