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J1 11時間前

「競争を感じながらやれています」新天地に来て4カ月。名古屋グランパスを支える高嶺朋樹の今「そこで戦いたい想いは強い」【コラム】

シリーズ:コラム text by 黒川広人 photo by Getty Images
名古屋グランパス 高嶺朋樹

名古屋グランパスの高嶺朋樹【写真:Getty Images】



 第15節・ガンバ大阪との上位対決を制し、名古屋グランパスが暫定首位に浮上した。今季からミハイロ・ペトロヴィッチ監督のもと、攻撃的なスタイルを志向している名古屋は攻守両面で高い強度を示し、長短を織り交ぜた鮮やかなパスワークと連動した3人目の動きで次々と相手陣内へ進入。流動的なフットボールを展開する名古屋で攻守を司っていたのが今季から名古屋に加入した高嶺朋樹だった。(取材・文:黒川広人)[1/2ページ]

明治安田J1百年構想リーグ・地域ラウンド第15節
名古屋グランパス 2-1 ガンバ大阪
豊田スタジアム

“ボランチ・高嶺朋樹”の真価を印象づけたパフォーマンス

名古屋グランパス

ガンバ大阪戦で久しぶりにボランチとして先発した高嶺朋樹(写真下段右から2番目)【写真:Getty Images】

 ガンバ大阪のイェンス・ヴィッシング監督は、試合後の会見冒頭でこう振り返った。

「名古屋(グランパス)という素晴らしく強いチームに対して、負けを認めざるを得ません」

 スコアだけを見れば2-1。名古屋グランパスの辛勝にも映るが、内容面では“ミシャ・グランパス”が圧倒した一戦だったと言っていい。

 その中で、高嶺朋樹が際立った存在感を放っていた。

 ここ数試合は左センターバック(CB)としての出場が続いていた高嶺だが、この日は森島司の欠場もあり、久々にボランチとしてスタメン出場を果たした。

「今日はボランチとして出場したので、守備では相手の安部柊斗に仕事をさせないようにマンツーマン気味に潰す意識と、攻撃では起点になることを意識していました。



 全体を通して、そこはできたかなと思います。球際の強さは自分の特徴でもありますし、久々にボランチをやって、自分の良さを多く出せたと思います」

 CBとしてもチームに不可欠な存在感を示し続けていた高嶺だが、この日は“ボランチ・高嶺朋樹”の真価を改めて印象づけるパフォーマンスだった。

 デュエルでの強さ、攻守の切り替え、局面でのターンによる打開、そして、配球能力。攻守両面でチームを支え、今季屈指とも言える内容だった名古屋を牽引した。

「自分はどちらのポジションでも問題なくプレーできると思っています。でも、久々にボランチをやってみて、デュエルの回数だったり、やりがいはすごく感じましたね。ただ、これからも監督が求めるところで自分の能力を発揮したいと思っています」

 以前はボランチへのこだわりを隠さなかった高嶺だが、今では両ポジションを高いレベルでこなせることも自身の大きな武器と自認している。

 そんな高嶺に大きな刺激を与えたのが、前節、躍動したチームメートたちの存在だった。

「自分たちがやらないわけにはいかない」高嶺朋樹を奮い立たせるもの

勝利後、記念撮影する名古屋グランパスの選手たち

高嶺朋樹はチームメートから大きな刺激を受けている【写真:Getty Images】

「自分たちは前節、休ませてもらったので。なかなか出場機会に恵まれなかった選手たちがチームを勝たせたことは、それまで出ていた自分たちの尻を叩かれるような感覚でした」

 13節まで、フルタイム出場を続けていた高嶺だったが、14節のV・ファーレン長崎戦ではミハイロ・ペトロヴィッチ監督が連戦を考慮し、高嶺を含むスタメン全員を入れ替える大胆な選手起用を敢行。その中でチームは勝ち点3を掴み取り、迎えたのが今節だった。

「今日のパフォーマンスはチーム全体でのパフォーマンスだと思います。出場機会が少ない選手たちも日頃から全力で取り組んでいましたし、その選手たちが前節、結果を出した。僕たちも休ませてもらった中、今日は必ず結果を出さないといけないという思いは強くありました。

 5連戦に入る前から『全て勝つぞ』とミシャ(ペトロヴィッチ監督の愛称)も言っていましたし、その中での決断だったとも思います。しっかりと自分たちがピッチで表現できて良かったです」



 今季、北海道コンサドーレ札幌から期限付き移籍で名古屋へ加入した高嶺。4カ月強を過ごす中で、チームメートたちから大きな刺激を受けているという。

「やっぱり能力の高い選手が多いですし、(稲垣)祥くんを中心に先輩の選手たちが一番走ってくれるので、自分たちがやらないわけにはいかない。すごくバランスの良いチームだなと感じています。

 今日はモリシ(森島司)が出ていなかったですけど、モリシもボランチができますし、ウッチー(内田宅哉)もいます。そういう競争を感じながら練習からやれています。自分がスタメンだとも全く思っていません。まずはケガをしないこと。その中で自分自身も毎日アップデートできるようにと日々、取り組めています」

 ペトロヴィッチ監督と共に戦うのは2クラブ目。だからこそ、以前との違いも感じている。

「これからも勘違いせずにベースの部分を大事にしていきたい」

名古屋グランパス ミハイロ・ペトロヴィッチ監督

名古屋グランパスのミハイロ・ペトロヴィッチ監督【写真:Getty Images】

「走ることへのフォーカスは、より大きくなっていると思います。強度に対する意識もすごく求められている部分です。もちろん、シーズンが進む中、戦術的に成熟した部分もありますけど、切り替えや球際のベースが根本です。

 今日はそこが良かったから、自分たちのサッカーができたと思います。長くやっていると戦術に慣れて、そこに頼ってしまう部分も出てくるので。これからも勘違いせずにベースの部分を大事にしていきたいです」

 この日の豊田スタジアムにはポジティブな空気が広がっていた。

 走る、闘う、規律を守る。ミシャサッカーの3原則を徹底しながら、横幅と縦幅を巧みに使い、幾度となくゴールへ迫る新生・名古屋のフットボール。その姿に、スタンドの期待と高揚感が確実に高まっているのを感じた。



 高嶺も、その後押しへ感謝を口にする。

「サポーターの前向きな後押しはすごく大きいと感じています。アウェイでもそうですし、瑞穂(パロマ瑞穂スタジアム)でも、彼らの声援のおかげで追いつけた試合もありました。

 そんな中、今日は後ろからのビルドアップも含めて、自分たちが取り組んでいることをしっかりと出せたと思いますし、見ている人にとっても面白い試合になったんじゃないかなと思います」

 形式上は期限付き移籍で、地元・札幌から名古屋へ籍を移している高嶺。今なお、古巣の戦いには強い関心を寄せている。

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