サッカー日本代表、中村俊輔コーチ【写真:編集部】
17日、日本代表の中村俊輔コーチが取材に応じた。代表コーチ就任から約1ヶ月が経った現在の心境や、チームスタッフの空気感について明かしている。
中村俊輔コーチが体感した代表スタッフ陣の空気感
日本代表コーチ就任の話が本格的に動き出したのは、3月のイングランド代表戦の後だったと明かす。
「最初にコーチとして一緒に戦ってほしい、力を貸してほしいという話は、正式な形ではイングランド戦が終わった後からですね」
イングランド代表戦の後には、森保一監督と食事をする機会もあった。その中で代表について話し合い、コミュニケーションを重ねるうちに心が動いた。
「微々たる力ですけど、代表に何かできないかという心境に変わっていきました」
元々中村コーチは、3月のイギリス遠征を外側から見ていた立場だった。解説者として現地を訪れながらも、自然と指導者目線になっていたという。
「世界で戦っている選手たちの自信が溢れているなって感じがします。僕らの頃よりは、基準が高くなっていると思いました」
中村コーチは現在、名波浩コーチや前田遼一コーチらと連携し、対戦相手に合わせた練習メニューの議論を重ねている。
その中で強く感じているのが、組織として戦う文化だ。
●「スタッフのチーム力がすごいなと…」
「自分だけが担当で、自分のところで結果を残そうじゃなくて、代表のために各コーチが仕事されてるなっていうのはすごく感じます」
特に驚かされたのが、スタッフ同士の情報共有の濃密さである。
例えば、10日に行われたセリエA第36節、パルマ対ローマでの鈴木彩艶の1失点目のシーンについても、ただの結果論では終わらない。
「あれって彩艶が思ったよりバウンドしなかったんじゃないか、そうするとラインはどうなのかという話ができる。そういう雑談力っていうか、雰囲気がある。
何気ない話の情報交換ですけど、スタッフのチーム力がすごいなと感じました。それって(試合を)見ていないとダメですし、情報がないとダメなので」
もちろん、その議論の土台には、森保監督が作る空気感もある。
現場で直接見た情報だけでなく、違う視点や感覚も歓迎される。だからこそ、議論が閉鎖的にならない。
「多少的外れなことがあったとしても、『それ違うくない?』みたいな空気にはならないです」
その環境の中で、中村コーチ自身も刺激を受け続けているという。
「このレベルに参加しなきゃ、違った角度の事を言わないと、ここに呼ばれている意味がないって思えるほど内容が濃い」
現役時代、日本代表を“最も価値のある場所”と捉えていた男は、今もなお、その場所で学び続けている。
だからこそ、日本代表という組織が積み上げてきたものの大きさを、誰よりも理解しているのかもしれない。
(取材・文:佐藤彰太)
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