
ジェフユナイテッド千葉でプレーする高橋壱晟【写真:Getty Images】
明治安田J1百年構想リーグEAST・第17節で最下位が確定したジェフユナイテッド千葉。最終節の柏レイソル戦にも敗北し、この半年間の最終成績は3勝3分(3PK負け)12敗と大きく負け越した。それでも、髙橋壱晟は現実を受け入れた上で、チームに明るい未来を見る。(取材・文:石田達也)[1/2ページ]
明治安田J1百年構想リーグ・地域リーグラウンドEAST第18節
柏レイソル 4-2 ジェフユナイテッド千葉
三協フロンテア柏スタジアム
今季2度目の“ちばダービー”に臨むジェフユナイテッド千葉

柏レイソル対ジェフ千葉の模様【写真:Getty Images】
明治安田J1百年構想リーグEASTグループの最終節は、77日ぶりの“ちばダービー”。ジェフユナイテッド千葉は敵地に乗り込んで柏レイソルと戦ったが、2-4で敗戦を喫した。
「最終節でもありましたし、ダービーだったということで、僕らも絶対に勝つ気持ちで臨みましたが、悔しい結果になって残念です」とDF髙橋壱晟は肩を落とした。
千葉は前節でグループ最下位が決定していたが、ダービーは特別な試合でもある。優勝、降格、残留とも違う特別な想いが込められ、同じ地域のライバルチームとの試合は、順位やカテゴリーに関わらず、絶対に負けられない戦いだ。
両者のチームカラーである黄色で埋め尽くされたスタジアム。千葉側スタンドからは『柏には負けられない さぁ行こう 勝利のために』とダービー専用の応援歌(チャント)が響き渡り、選手たちの背中を押した。
千葉は立ち上がりからプレスのハマりが上手くいかず、押し込まれる場面が続く。相手ボランチとMF小泉佳穂を捕まえられないことで、ボールを保持され自陣から抜け出せない。
そのなか、髙橋は柏のサイド攻撃に手を焼きながらも奮闘。31分にはゴール前に入ってくるボールを懸命にクリアする。ぼやけていたマークも徐々に掴めたことで前進のシーンが増えていた。
「チャンスがあったらと思っていたので…」

選手を後押しするジェフ千葉サポーター【写真:Getty Images】
しかし35分、一瞬の隙を突かれスルーパスからFW垣田裕暉にゴールを許すと、直後の39分にはショートカウンターから2点目を沈められた。
それでも45+2分にデザインされたコーナーキック(CK)から最後は、こぼれ球をDF久保庭良太が冷静に押し込み1点差でハーフタイムを迎えた。
後半はプレスのかけ方を整理した中で、オープンな展開になると75分にFW細谷真央に決められて失点。苦しい展開が続くなか、86分に左サイドのワンツーからFW田中和樹がラインブレイクしクロスを上げる。
そのこぼれ球をMF津久井匠海が流すと髙橋はシャープに右足を振り抜きゴールネットを揺らした。それはサポーターの熱い応援に報いる一撃でもあったように見えた。
ゴールの瞬間に小さくガッツポーズした髙橋は、J1公式戦初得点を次のように語る。
「エドゥアルドと少し立ち位置を変えながらプレーしていて、チャンスがあったらと思っていたので上手くミートできたと思います。ここまで中々、シュートまで行くシーンがなかったので、その1本を決められて良かった」
ここで1点差に詰め寄ったのだが、89分にFKの流れからDF古賀太陽にヘディングで押し込まれて万事休す。そのままタイムアップを迎えた。
千葉は3勝3分(3PK負け)12敗の成績でグループラウンドをフィニッシュ。髙橋は悔しそうに振り返る。
「今のやり方でもやれるとは思っています」

ジェフ千葉を率いる小林慶行監督【写真:Getty Images】
「僕らのまだまだ力のなさ。真っ向から挑んだ形だった。今回は降格を避けるとか、そういうことを考えずに、自分たちの力のまま挑んだシーズンだったと思うので、それが力の差で出たかなと思っています」
17年ぶりにJ1の舞台で戦う千葉にとっては、この半年間の特別大会はある種の力試しの舞台でもあっただろう。
もちろん結果を求めた上で自分たちのスタイルで真っ向勝負をしたが、J1の壁は厚くもあった。
だが一方で、髙橋は壁を打ち破れる手応えも感じている。
「個人の成長にしっかり目を向けなければいけませんが、やっぱり次のシーズンからは順位によって降格もあるので現実的な戦い方をしていかなければいけない場合も増えるとは思っています。それでも僕らが力をつければ、今のやり方でもやれるとは思っています」
そしてその手応えが、自分たちのより良い未来に繋がると信じている。
「目の前の試合に“勝つ、負ける”だけを考えて現実的にサッカーをしていれば、僕たちの成長はないだろうし、だったら今できること、降格のないシーズンを有効活用してチャレンジし続けるっていう半年だったと思うので、“できること、できないこと”を見極められたのは良かったと思っています」
個人としても全体トレーニング後のワークアウトでは昨シーズンよりも基準を上げハイペースでのランニングや短距離ダッシュなどを積極的に取り入れている。
進化したい、ではなく、進化する。それが髙橋の持論だ。