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実はメリットだらけ? なぜ日本代表は現地でテストマッチを組まなかったのか。その決断に至った背景とは

サッカー日本代表

アイスランド代表戦に臨んだサッカー日本代表【写真:田中伸弥】



 日本代表はFIFAワールドカップ2026(北中米W杯)に向けた最後の対外試合を終えた。グループリーグで同組となる3カ国が本大会直前まで2試合のテストマッチを消化する予定の中、森保ジャパンは異なる準備プロセスを選択している。決断の背景と、そこにあるメリットを整理する。[1/1ページ]

森保一監督が明かした決断の背景

サッカー日本代表、森保一監督
サッカー日本代表の森保一監督【写真:田中伸弥】



 31日、サッカー日本代表は国立競技場でFIFAワールドカップ2026(北中米W杯)に向けた壮行試合を行い、アイスランド代表に1-0で勝利した。

 この試合は、W杯前の国内ラストマッチであるとともに、本大会初戦となるオランダ代表戦まで、他国と戦う最後の対外試合となった。

 森保一監督は試合後の会見で、現地で他国とのテストマッチを組まなかった理由について次のように説明している。

「(トレーニングパートナーとして帯同する)U-19の選手たちとトレーニングをする機会をしっかり作れば、コンディション的には問題ないということで提案を受けて、練習試合、親善試合等はシニアのチームとはしないということで決めました。

 どう答えていいかわからないですけど、それがベストだということで、何度も私も聞き返しましたし議論しましたけど、ベストの選択がU-19とのゲームをできれば、いい状態でワールドカップに挑めるということで決めました」

 本来、W杯を控えるチームは、大会初戦までに2試合のテストマッチを組むことが一般的だ。日本代表は前回のカタール大会の際、直前にカナダ代表と1試合のみを行ったが、それ以前の大会ではいずれも2試合の強化試合を消化している。

 他国とテストマッチを組むことには、いくつかのメリットがある。

 まず、グループリーグで対戦するチームに近いスタイルの相手と高い強度で試合を行うことで、本番さながらのシチュエーションを体感できる点だ。

 さらに、クラブで出場機会を減らしている選手にとっては、試合勘を取り戻しながらコンディションを引き上げる貴重な機会となる。

 加えて、本番前に「勝てる形」を一度作っておくことで、チームの自信を高められるだけでなく、課題が明確になることで危機感の共有にもつながる。

 一方で、デメリットも存在する。

デメリットは?

サッカー日本代表
アイスランド代表に勝利したサッカー日本代表【写真:田中伸弥】



“本番さながらの強度”で試合を行うことは、当然ケガのリスクも伴う。すでに三笘薫や南野拓実といった主力を負傷で欠く日本代表にとって、これ以上の離脱は絶対に避けなければいけない。

 特に、ヨーロッパでシーズンを戦い抜いた選手たちは疲労が蓄積しており、直前の強度の高い試合はコンディション面で大きなリスクになり得る。

 森保一監督としても、現状のベストメンバーを維持したまま本大会に臨みたいという思いがあるはずだ。

 さらに、気候の面でもコンディションに大きな影響を及ぼす。

 酷暑が想定される今大会では、選手のコンディション管理が重要な鍵を握る。大会直前は、いかに疲労を残さないかがベストな選択につながる。

 そして戦術面では、情報が見えてしまうリスクもある。親善試合で試した戦術や組み合わせは相手国に詳細に分析されるため、できる限り手の内は明かしたくないのが本音だろう。

 また、今回帯同を予定するU-19の選手たちであれば、不用意なタックルで身内を削り合うリスクもなく、リクエスト通りの“対戦相手役”として役割を担うことができる。

 これらの要素を総合的に踏まえると、必ずしも直前に他国とのテストマッチを数多く消化することだけが最適解とは言えない。

 日本代表のスタッフ陣が積み重ねてきた判断は、リスクとメリットの天秤の中で導き出された結論。その選択が本大会でどのような結果につながるのか注目される。

(取材:編集部、文:佐藤彰太)

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