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コラム 6時間前

「俊さんが水を配ったり…」過去の大会から振り返るベテランの重要性。様々な経験が日本代表にもたらすものとは【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Etsuko Motokawa,Editor,Getty Images
吉田麻也
サッカー日本代表の吉田麻也【写真:編集部】



 FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)を目前に控えた日本代表が、モンテレイで調整を進めている。環境への順応と暑熱対策という明確な狙いを持った合宿だが、その過程でベテラン選手の存在があらためて注目されている。順調とは言い切れない準備の中で、経験豊富な選手たちの役割が大きな意味を持ち始めている。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]

モンテレイで調整を進める日本代表

サッカー日本代表 堂安律、鈴木唯人、板倉滉、冨安健洋
サッカー日本代表の選手たち【写真:元川悦子】


 FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)初戦のオランダ代表戦まで8日。日本代表のモンテレイ合宿も終盤を迎えつつある。

 森保一監督らコーチングスタッフがこの場所を事前キャンプ地に選んだのは、20日の第2戦・チュニジア代表戦の会場だったことがまず大きい。

 過去30年間を振り返っても、日本代表がメキシコ遠征に赴いた機会は皆無に近く、メキシコという土地でサッカーをしたことのある選手は久保建英ら限られた選手だけ。

 未知なる環境でいきなり本番の試合をするのはリスクが高いからこそ、「まずはモンテレイに慣れたい」と指揮官も考えたのだろう。

 そのうえで、6月の平均最高気温が35度、降雨日数3日という土地で暑熱対策をするのがベストという判断に至った。

 日本代表がW杯のグループリーグ第1戦と第3戦を戦うダラスは、室内スタジアムのため、暑さが大きな問題になる可能性は低い。

 しかし、第2戦のモンテレイに加え、決勝トーナメント以降に赴く可能性のあるヒューストンやマイアミの酷暑を視野に入れると、ここで暑さに慣れておきたかったはずだ。 

 とはいえ、現状は想定ほど気温が上がらず、狙い通りに進んでいるとは言い難い。練習場変更の二転三転を含め、初めてW杯の大舞台に参戦する選手たちは不安も高まるだろう。

「もう次のステージに…」

サッカー日本代表 吉田麻也
サッカー日本代表の吉田麻也【写真:元川悦子】


 そこで大きな力を発揮するのが、W杯経験豊富なベテラン勢だ。2010年南アフリカ大会から5大会連続出場となる長友佑都、そして5日から再合流した過去3大会経験者の吉田麻也の存在は非常に心強いものがありそうだ。

「練習の強度が高くなれば、コンディションは上がっていくでしょう。先週の日本での練習はどっちかというと、欧州でシーズンを終えた選手たちが再始動するための1週間だったんで、ここからW杯に向けての1週間になる。

 もう次のステージに入っていると思うんで、ピッチ外のアクシデントとかいろんなことを想定しながら戦っていかなきゃいけない。図太さは大事です」

 5日からモンテレイにやってきた吉田はこう強調したが、そういった心構えを伝授できるベテランがいるだけで、中村敬斗や佐野海舟、鈴木彩艶らW杯初出場の主力組は落ち着いて戦えるはずだ。

 実際、日本の過去7大会を振り返ってみても、ベテランがチームをしっかりと支えた時ほど結果を残している傾向がある。

「俊さんが水を配ったり…」

サッカー日本代表、中村俊輔コーチ
サッカー日本代表の中村俊輔コーチ【写真:Getty Images】


 まずは2002年日韓W杯。中村俊輔の落選で騒然となった24年前の大舞台は、自国開催ということで、現在とは比較にならないほど高い注目を集めていた。

 そこで、フィリップ・トルシエ監督は中山雅史、秋田豊、森島寛晃といった30代の選手を抜擢。彼らは主力や出場機会の限られた若手を親身になってサポートし、チームの結束力を高めた。

 初戦・ベルギー代表戦でキャプテンマークを巻きながら、負傷で大会を棒に振った森岡隆三は「自暴自棄になりかけた時にベテラン選手が寄り添ってくれて、どれだけ救われたか分からない」と本音を吐露したことがある。

 この時から日本サッカー界はベテランの重要性を再認識したと言っていい。

 2010年南アフリカ大会でも、試合に出場しなかった34歳の川口能活と楢崎正剛(名古屋GKコーチ)、31歳の中村俊輔が後方支援に回り、本田圭佑や長友ら若手の躍動を支えた。

「俊さんが水を配ったり、道具の後片付けをしている姿を見て、俺らもやらなきゃいけないと感じた」と松井大輔も語ったことがあり、彼らへの感謝の念が好パフォーマンスにつながったのは確かだろう。

 2018年ロシア大会でも35歳の川島永嗣と34歳の長谷部誠がチームをリード。直前の監督交代で主力からサブに回ることになった31歳の槙野智章も率先してサポート役に回り、チームを支えた。

 さらに2022年カタール大会でも、大ベテランの川島と31歳の柴崎岳が献身的な姿勢を前面に押し出した。

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