カナダ代表のジェシー・マーシュ監督【写真:Getty Images】
アメリカ、カナダ、メキシコの共催で行われるFIFAワールドカップ2026(北中米W杯)が日本時間6月12日に開幕した。開催国のカナダ代表は13日、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表と初戦を戦う。2大会連続3回目の出場となるカナダ代表の指揮官を紹介する。
レッドブル流を注入。カナダを変えたアメリカ人指揮官
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カナダ代表を率いるのはアメリカ出身のジェシー・マーシュ監督だ。
1973年生まれの現在52歳。現役時代はミッドフィールダーとしてプレーし、1996年のMLS(メジャーリーグサッカー)創設初年度からリーグで活躍。北米最高峰リーグで300試合以上に出場した。
引退後は指導者へ転身し、アメリカ代表のアシスタントコーチを経てモントリオール・インパクトの監督に就任。その後はニューヨーク・レッドブルズ、レッドブル・ザルツブルク、RBライプツィヒ、リーズ・ユナイテッドなどを率い、欧州でも実績を積み重ねた。
特にレッドブルグループのクラブで長年経験を積んだことで知られ、前線から激しくボールを奪いにいくハイプレスと、攻守の切り替えを重視する高強度なサッカーを得意としている。
2024年5月、マーシュ監督はカナダ代表監督に就任した。
同国は長らくサッカーの新興国と見なされてきたが、アメリカ人指揮官は着任直後から改革に着手。若手選手を積極的に登用するとともに、複数国籍を持つ選手たちの招集にも力を注ぎ、選手層の拡大を進めた。
その成果はすぐに現れる。同年のコパ・アメリカではカナダをベスト4へ導き、FIFAランキングも上昇。北中米を代表するチームの一つとして存在感を高めていった。
マーシュ監督は戦術面だけでなく、選手のメンタルにも強く働きかける指導者として知られる。様々なルーツを持つ選手が集まるカナダ代表に対し、「カナダ人として戦う誇り」を繰り返し説き、チームの一体感を高めてきた。
そのスタイルはカナダ代表の特徴とも合致する。アルフォンソ・デイヴィスら身体能力に優れた選手たちを擁するチームは、前線から激しく圧力をかけてボールを奪い、一気にゴールへ迫るダイナミックなサッカーを展開する。
現地では、カナダの象徴である「メープルリーフ」と「ハイプレス」を組み合わせた「メープルプレス」という言葉が生まれるほど、マーシュ監督の戦術は浸透している。
カナダは前回のカタールW杯で3戦全敗。1986年大会を含めると、W杯では通算6試合を戦いながら、いまだ勝利を手にしたことがない。
しかし、今大会は自国開催。グループリーグ突破も十分に狙える組み合わせとなった。
情熱的なアメリカ人指揮官が植え付けた高強度フットボールは、カナダに歴史的なW杯初勝利をもたらすことができるだろうか。そして、その先にある初の決勝トーナメント進出を実現できるだろうか。
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