
サンフレッチェ広島の青山敏弘コーチ【写真:©2026 S.FC】
FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)に臨む日本代表は、日本時間6月15日早朝に1次リーグF組でオランダ代表と対戦する。2014年のブラジルW杯のメンバーで、現在はサンフレッチェ広島でコーチを務める青山敏弘氏に今の日本代表、そしてオランダ戦の展望について話を聞いた。(取材・文:竹中愛美)[1/2ページ]
【独占インタビュー/取材日:6月12日】
「粘り強さからの勝負強さは前のW杯からさらに磨きがかかっている」

今年の欧州遠征ではスコットランドとイングランドを相手に連勝したサッカー日本代表【写真:田中伸弥】
ーー昨年はブラジル代表に初勝利、今年3月にはスコットランド代表、イングランド代表にそれぞれ勝利しています。W杯優勝を目標に掲げている日本代表の戦いぶりをどのようにご覧になっていますか?
「相手が基本強いじゃないですか。そんな中で何ができるかを続けている。守るべきときはしっかり守れて、攻めに行くときに、ここというときにスイッチを持っているなと。それを武器にできているというか、イングランド相手にああいう戦い方、ブラジルもそうだし、しっかり粘って粘って、最後に点を取りにいく。
そのパターン、粘り強さからの勝負強さは前のW杯からさらに磨きがかかっていると思う。もちろん、日本にもタレントがいるんですけど、そもそもの戦い方、コンセプトがすごく確立されているな、それは強いよなとは思いますね」
ーー日本は国内合宿を経て、開催地のメキシコやアメリカで事前合宿を実施。チーム全体のコンディションを上げること、そして暑熱対策など現地の環境に慣れることも当然ありますが、練習場の変更などアクシデントもありました。ここまでの調整はどのように映っていますか?
「まあ、難しい状況だなと思っています。僕がブラジルの(W杯に出場した)ときとすごく似てるなって。負傷していた主力の選手たちが多かった。その選手に合わせて、コンディション、チーム全体で上げていく作業は、経験して難しかったので」
「僕らとは明らかにやり方が違う」ブラジルW杯の経験から見た現在の調整法
ベースキャンプ地であるアメリカ・ナッシュビルでトレーニングするサッカー日本代表の選手達【写真:元川悦子】
ーー左足甲を負傷していた遠藤航選手が離脱しましたが、板倉滉選手や冨安健洋選手など、負傷明けで出場機会が少ない選手たちのコンディションも気になるところですが…
「もうその心配はないと思います。冨安がどれぐらいできるか、僕は全然わからないですけど、直前にそういうリスクがもうほぼない。W杯を経験している選手たちが多いので、前回大会を経験している選手が主力としてバリバリやってくれる。
若い選手たちもプラスアルファじゃないですか?そこはもう本当に楽しみ。でも、層が厚いので、そこの分厚さ、チーム力、すごく自分が思ってるより強いんだろうなと勝手に思っています」
ーー2014 年のブラジルW杯のときに状況が似ているとおっしゃられたと思いますが、当時はコンディション調整がうまくいきませんでした。試合会場の気候とキャンプ地の気候が異なっていたり、試合の場所までの長距離移動だったり。今回はその教訓を活かしているようにも見えますが、青山さんから見るとどうですか?
「いや、もうまず、ベースキャンプと事前合宿とスケジューリングは本当にすごいなと思います。そのレベルはやっぱり僕が行ったブラジルよりはすごいなって。日本での合宿を見てる限り、すごくコンディションのところで気を遣ってやってたし、モンテレイの合宿も、もう比べるしかないですけど、僕らのときはアメリカで2試合やったんですよね。
(今回は)U-19との練習試合で、どこまで誰が出たとかわからないですけど、隠せる状況というか、そこまで追い込んでない。というのはおかしいですけど、もうとにかくコンディション重視だなって、その差はすごく感じますね」
ーー吉と出るか、凶と出るかはわからないですよね
「もう間違いなく(良い影響は)出るとは思うんですけど、僕らとは明らかに見ていて、やり方が違うなと、それは経験値として持ってるんだろうなって」
「焦っているオランダが目に見える」初戦で問われるボール保持と対応力
上田綺世は2025/26シーズン、エールディビジで25ゴールをマークし、得点王に輝いた【写真:Getty Images】
ーー初戦はオランダ代表です。ファン・ダイク選手やコーディ・ガクポ選手、メンフィス・デパイ選手などタレント揃いです。オランダの印象はどうですか?
「めちゃめちゃ強いんすよ。どうするんすかね?日本はボールを持たれる状況が続くのかなと想像できますけど、そういうやり方の方がもしかしたら日本は慣れている。
日本人はビッグクラブにいる選手たちが少ないので、(オランダは)ビッグクラブで戦っているほうじゃないですか。そういう意味ではそういう戦いに慣れていくというか。そういう展開に持っていきやすいんじゃないかとは感じる。焦っているオランダが目に見えるなと。
ただ、ずっとそういう時間帯も厳しいので、どれだけ引いているときにキープできるか。キープできれば(攻撃が)速くできるし、日本の良さはどんどん出てくると思う。
まずはそこのキープのところは上田(綺世)選手がやってくれると思う。W杯でどこまでできるかもすごく楽しみだなと。それができなくても、プランBというか、2つ目の戦い方、ハイプレスとか、そういうものを持っているので、本当に臨機応変にというのが大事ですね」
ーーそれこそ初戦を落とすと、なかなかグループリーグの突破が難しいのは周知の事実ですが、改めて初戦の重要性というのはどのように感じてらっしゃいますか?
「その通りだと思いますよ。すべてが決まると思います。でも、すべて決まるものというのも前回大会でそこもクリアしたところですし、ロシアのときもそう。
そこの経験値、持っていき方は今あると思うので、僕らが言うまでもなく、もう彼らの成功体験というか、それはすごく持ってるんじゃないかなと期待しています」