日本代表が、またしても世界に強烈な印象を残した。FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)グループステージ第2戦でチュニジア代表に4-0と完勝。2006年大会から勝てていなかった“第2戦の壁”を突破しただけでなく、アジア勢としてW杯史上初となる1試合4得点も記録した。イタリアのメディアやレジェンドたちは、この勝利をどう見たのか。元日本代表監督パウロ・ロベルト・ファルカンの言葉も交えながら、サムライブルーへの評価を読み解く。(文:佐藤徳和)[1/2ページ]
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イタリアが畏れた日本の強さ
日本代表はまたしても真価を示した。
FIFAワールドカップの通算1000試合のメモリアルマッチとなった、FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)グループステージ第2戦でチュニジア代表を4-0で圧倒。2006年大会から、一度も勝てていなかった“第2戦の壁”を難なく乗り越えた。
開始直後から主導権を握ると、アジア勢としてW杯史上初となる1試合4得点をマーク。鬼門を打ち破るだけでなく、新たな歴史も刻んでみせた。
3大会連続で、W杯の出場権を得られなかったイタリアのメディアは、日本代表をもはや羨望の眼差しではなく、畏敬の念を抱き、見つめつつある。
イタリア代表が仮に欧州プレーオフを突破して本大会進出を決め、この日本代表と対戦することになっていたら、畏れを抱いていたに違いない。
今回もイタリアのメディアが日本の勝利をどのように伝えたのか、振り返りたい。
“Katana”が切り裂いた一戦
ヨーロッパで最古のスポーツ紙『ラ・ガッゼッタ・デッロ・スポルト』は、次のように綴っている。
「これは試合ではない。W杯史上1000試合目となる歴史的な一戦は、まるで“Katana(刀)”を用いた、虐殺のようだった。日本は、哀れで崩壊状態のチュニジアを切り裂き、ピッチのあらゆる場所に突き刺さるように攻撃を展開し、アフリカ勢には、ビデオゲームの中でさえ耐えられないほどのテンポを押し付けた。
彼らは恐るべき攻撃陣の3人全員を得点に導き、この4-0という鮮烈なスコアで、次節で対戦するスウェーデンに対してもメッセージを発した。日本はグループ2位を狙っており、もし好調なオランダが取りこぼすようなら、首位すら狙えるはずだ」
“カルタゴの鷲”の異名を持つチュニジア相手の一戦は、比喩的な表現を用いて、極めて一方的な展開で、日本の強さを証明するものだと評した。
さらに、こう続けている。
「モンテレイの観衆にまで伝播した熱狂をまとい、超音速でプレーしたこの小さな戦士たちは、これからの歩みで、どんな相手にとっても極めて危険な存在となり得るだろう。森保監督のチームは、日本的精神、すなわち粘り強さに支えられた困難への対応力を備えているからだ」
日本の精神力が、大きな武器となっていることを強調した。
グラツィアーニが熱狂したサムライブルー
イタリア公共放送『Rai』のワールドカップ特番『Notti Mondiali』では、元イタリア代表FWで1982年スペイン大会優勝メンバーのフランチェスコ・“チッチョ”・グラツィアーニが、第1戦後に続き、日の丸に「忍者」と書かれた鉢巻を巻いて登場した。
前回同様、鉢巻の上下は今回も逆向きだった。
しかも、今回は赤を基調とした着物姿で登場。「“我々”は4-0で勝利した」と一人称を用いて、日本の白星を、自国の代表チームが勝利したように喜び、伝えるほどだった。
司会者のアレッサンドロ・アントネッリが、エールディヴィジの得点王であるフェイエノールトFW上田綺世の名前を挙げると、グラツィアーニはこう語った。
「上田のプレーの特徴は、(ジャコモ・)ラスパドーリ(アタランタ)に少し似ているが、技術レベルは、明らかに上田の方が上だ。チームメイトとの連携プレーも熟知し、自分で局面も切り開くことができ、そして、よく動く。鎌田(大地)と同じように、並外れたテクニックを持っている。驚くべきテクニックだ。
この数年、W杯などで日本のサッカーを見てきてわかるように、この日本の強さは新たな発見ではない。技術的にも、フィジカルの面でも、日本の選手は似たタイプが揃っている。だが、この素晴らしいクオリティーを持つ日本は、このワールドカップでの最大級の驚きの一つだ」
上田を絶賛し、日本代表全体のクオリティーにも賛辞を送った。



