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コラム 8時間前

女子W杯まであと1年。なでしこジャパン、宮澤ひなたの自己評価は「50点」。それでも「もっともっと進んでいきたい」理由【コラム】

シリーズ:コラム text by 竹中愛美 photo by Getty Images,MKマネージメント
2026年6月13日『宮澤兄妹サッカーフェスタ in三島市』より なでしこジャパンの宮澤ひなた

なでしこジャパンの宮澤ひなた【写真:MKマネージメント】



 現在、FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)で盛り上がる日本サッカー界。その裏で、ちょうどきょうで1年後に迫ったFIFA女子ワールドカップ2027(ブラジルで6月24日開幕)へ向けて歩みを進める選手がいる。6月13日に静岡県で開催された「宮澤兄妹サッカーフェスタin三島市」。子どもたちと触れ合った宮澤ひなたに、女子W杯まであと1年となった現在地を聞いた。(文:竹中愛美、提供:MKマネージメント)[1/2ページ] 

「まだ進み途中なので50点」。女子W杯まであと1年の現在地

マンチェスター・ユナイテッドWFC 宮澤ひなた

マンチェスター・ユナイテッドWFC加入3年目のシーズンで確かな存在感を示した宮澤ひなた【写真:Getty Images】


 現在、日本サッカー界はFIFAワールドカップ2026(北中米W杯)の熱気に包まれている。その一方で、ちょうど1年後に迫った女子サッカーの祭典へ向けて歩みを進める選手がいる。

 その舞台で再び中心選手としての活躍が期待されるのが、前回大会で得点女王に輝いた宮澤ひなたである。

 6月13日、静岡県三島市で開催された「宮澤兄妹サッカーフェスタin三島市」。子どもたちと笑顔でボールを追いかけた宮澤は、イベント終了後の取材で女子W杯まであと1年となった現在地について語った。

 昨年12月に開催されたイベントでは、2026年の抱負を漢字一文字で「進」と表現していた。

「まだまだ先に進みたい。ここからが勝負だなと思っている」

 そう話していた宮澤に、半年が経過した今の自己評価を尋ねると、少し考えたあとに笑顔でこう答えた。

「まだ進み途中なので、50で!」

 その言葉には現状への満足がないことも表れていた。

「チャンピオンズリーグだったり、アジアカップというところで、ワールドカップに向けて一歩進めたかなと思う部分はあります。ただ、チャンピオンズリーグは来シーズン出場できないですし、そこで立ち止まるんじゃなくて、進むと書いた以上、もっともっと進んでいきたいなと思います」

 マンチェスター・ユナイテッドWFC加入後は出場機会や怪我に苦しむ時期も経験したが、今季はボランチやアンカーとして20試合に出場し、精度の高いパスや持ち前のテクニックで自身の立ち位置をさらに強固なものとした。今季リーグ戦で決めた唯一のゴールはクラブの年間最優秀ゴールに選出されている。

 だが、本人の感覚ではまだ道半ばなのだ。

「W杯まであと1年というところで、自分自身の成長というのもしっかり向き合っていかなきゃいけない。まだまだ進化したい、成長したいという意味で、もうちょい頑張りたいなと思います」

 シーズンを終え、その先にある成長を見据えているのだろう。その視線はすでにブラジルへ向いていた。

「もっともっと怖い選手にならなきゃいけない」

なでしこジャパンの宮澤ひなた 2026年6月6日の親善試合 南アフリカ代表戦

なでしこジャパン新体制初陣、南アフリカ女子代表戦でプレーする宮澤ひなた【写真:Getty Images】


 なでしこジャパンも新たなサイクルへ突入した。

 今年3月のAFC女子アジアカップ オーストラリア2026では、決勝で開催国を破り、なでしこジャパンは2大会ぶり3度目のアジア制覇に輝いた。
 
 だが、4月2日には前任のニルス・ニールセン監督が異例の退任。アメリカ遠征で暫定として指揮を執っていた狩野倫久ヘッドコーチが昇格という形で正式に監督に就任することとなった。

 直近の代表活動では狩野新体制のもとで南アフリカ女子代表との2連戦を戦った。結果だけでなく、来年の女子W杯へ向けたスタートとして、どのような意味を持つシリーズだったのか。

「1試合目に勝てたことは、新体制としてすごく大きな一歩だったと思います」

 一方で、大勝した1試合目から大きくメンバーを入れ替えて臨んだ2試合目の敗戦にも確かな価値を見出していた。

「アフリカの選手相手に対人のところだったり、ああいう相手に対してもしっかり勝っていかないといけないという意味では、W杯に向けて良いシミュレーションができたと思います」

 興味深かったのは自身のプレーに対する評価だ。

 近年はボランチとしてプレーする機会が増えていたが、今回の活動では女子アジアカップに続き、再び前線で起用された。

「今まではボランチで、真ん中でプレーすることが多かったんですけど、今回の合宿では(4年前の)W杯に戻ったような(笑)、左の前だったりとか、前線で関わるポジションが多かった」

 前回の2023年大会では、右サイドやシャドーで主にプレーし、5得点で得点女王となった。

 しかし、本人はそのポジションでの自分にはまだ満足していないようだ。

「自分自身まだまだ物足りなさというか、もっともっと怖い選手にならなきゃいけないなというのは、改めて左サイドに立ったときに感じました」

 得点女王になった選手が「もっと怖い選手になりたい」と語る。その言葉に、現状維持を拒む姿勢がにじむ。

 所属クラブではボランチ、代表ではウイング。簡単ではない役割の変化もある。

「考え方だったり、頭の切り替えがすごく難しくなるのかなと思いつつでしたけど、代表としてもW杯まで1年というところで良いスタートが切れたんじゃないかなと思います」

 宮澤は新たな武器を探しながら、もう一段上のステージを目指している。

「新しいひなたを出してほしい」。兄が見つめる成長

2026年6月13日『宮澤兄妹サッカーフェスタ in三島市』より なでしこジャパンの宮澤ひなた

兄の佳汰さんとともにサッカー教室を開催した宮澤ひなた【写真:MKマネージメント】


 そんな妹の姿を最も近くで見続けてきたのが兄の佳汰さんだ。

 このイベントは兄妹で企画・運営を手掛けているが、普段から頻繁に連絡を取り合っているという。

「ひなたの試合は毎試合見ています」

 そう語る兄は、得点女王になったことで生まれた変化も感じていた。

「4年前のW杯で得点王になったのは嬉しいことの反面、期待値が上がるというところはありました」

 海外移籍後、試合に出られない時期もあった。ゴールが奪えず苦しむ時間もあった。そうした葛藤もすべて見てきた。

「もともと点を取る選手ではないというのは、家族が一番わかっている部分でもあります」

 だからこそ、得点数だけではない価値を理解している。

「期待に応えられる選手が大きくなるというか、成長過程でもあると思う。また左サイドハーフをやり始めていますけど、自チームでは違うポジションではありつつ、そこからまた見える新しい景色もあると思うので、新しいひなたを出してほしいと思います」

 試合終わりに毎日のようにビデオ通話で反省会を行うのが日課だという宮澤兄妹。それは今なお続いている。

「1年後に向けて、引き続き兄妹での電話は大切にしていきたいと思います」

 世界の舞台で戦う選手でありながら、その歩みを支える家族との距離感は変わらない。

 女子W杯まであと1年。宮澤の挑戦は、多くの支えとともに続いている。

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