サッカー日本代表の上田綺世【写真:Getty Images】
日本代表は日本時間6月26日、FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)グループステージ第3節でスウェーデン代表と対戦する。ここまで2試合を戦い、1勝1分の森保ジャパンにとって、グループステージの順位だけでなく、その先の決勝トーナメントを見据える上でも重要な一戦だ。2014年ブラジルW杯メンバーで、現在はサンフレッチェ広島でコーチを務める青山敏弘氏に、スウェーデン戦のポイントを聞いた。(取材・文:竹中愛美)[1/2ページ]
【単独インタビュー/取材日:6月23日】
「二重丸ですよね」チュニジア戦で見えた森保ジャパンの完成度

今大会、2戦連続ゴールを挙げるなどチームを勢いづける鎌田大地【写真:田中伸弥】
ーーまず、チュニジア代表戦は森保一監督の起用がばっちりハマった印象を受けましたが、ご覧になっていかがでしたか?
「危なげなく、です。二重丸ですよね。文句のつけようがない試合です。メンバーを少し変えてきたのはびっくりしましたけどね。後ろを変えたのは。それが本当にハマったところもあります。
鎌田(大地)を1個前(のシャドー)に上げて、すぐ点をとって、そこに田中碧も絡んでいるっていう。入りにどういうサッカーをするんだろうというところで、素晴らしい入りと、サッカーの展開は完璧でしたね」
ーー前回の取材では、今大会、鎌田大地選手が乗ってくるのではないかとお話をされていましたが、そのような予感をさせると言いますか、本当に機能している印象を受けましたが、そのあたりはいかがですか?
「そうですね。この勝たないといけない試合に、ポジションを1個上げましたけど、それでもやっぱりゴールに絡んでくるっていう、一番大事なゴールをね。ああいう形で決めてくれるのは本当に頼もしいですし、チームを引っ張っている一番の存在なんじゃないですかね」
ーー日本の3点目、伊東純也選手のゴールシーンですが、あれは森保監督がサンフレッチェ広島を率いていたときによく見たゴールの形かなと思います。千葉和彦さんや青山さんが縦パスを入れて、佐藤寿人さんがフリックをして、石原直樹さんが抜け出して決めるといったような。青山さんはどういうふうに感じましたか?
「そうですね、ああいうものは目指していました。ごめんなさい。最近の日本代表の練習は見れていないんですけど、ワンタッチとか、タッチ制限ありの練習は以前の映像を見る限りやっていた。
個の能力が高いので、即興でやったかというと、別ですけど、ああいう形になると質が高いですね。W杯でもあの質が出せるんだっていうのは、ちょっとレベルが、自分が入っていた日本代表のときより(レベルが)さらに上がっていっているんだなというのは感じましたね」
ーーなるほど。そうだったんですね。
「あの崩しは、質が高いんだなと思う。ただ、相手があれだけスペースを与えてくれている状況なので、もちろん、それはW杯で、あの舞台でできるのは素晴らしいですけど、スウェーデン戦も含めて、さらにトップの相手にそういうプレーを見てみたいなと思います」
ーー3点目のような再現性のあるゴールは、強い相手だと厳しくなってくるものなのでしょうか?
「逆にああいうプレーが日本の強さというか、良さだと思うので、コンビネーションでのスピードアップというか。個の相手に対して、ああいうプレーはもう質で上回っているので。それは狙い続けて。
真ん中があれだけ割れるのはサイドからの攻撃が効いているからだと思うし、4点目の佐野海舟がスペースに出て行って、綺世が駆け引きして、フリーになってヘディングしましたけど、両方が必要ですし。オランダ戦の1点目と、チュニジア戦の1点目と2点目と3点目と両方が武器になる。それはスウェーデン戦で存分に発揮してくれるんじゃないかと思っていますね」
「やっぱり前の2人は怖いですよね」スウェーデン攻略のポイント
スウェーデン代表の強力2トップ、ヴィクトル・ギョケレシュとアレクサンデル・イサク【写真:Getty Images】
ーー上田綺世選手がチュニジア戦で2ゴール1アシストと乗っていきそうですね。
「やっぱり綺世が効いてますよ、上田綺世が。この間の試合を見る限り、どんどん乗ってくるんだろうなって、爆発するんじゃないかって期待をしてしまいますよね。ああいう個で決めきってしまうフォワードが、なかなか日本にはいなかったので、期待してしまいますよね次も」
ーー次節の対戦相手、スウェーデン代表は、チュニジアよりも力のあるチームだと思います。前線にはヴィクトル・ギョケレシュ選手やアレクサンデル・イサク選手、アンソニー・エランガ選手と強力な選手がいますが、どういった印象をお持ちですか?
「やっぱり前の2人(ギョケレシュとイサク)は怖いですよね。でも、ちょっと守備をしないというか、日本みたいに前からしっかり守備をしているイメージはないので、特にその2人は。そこは日本がボールを握れる時間が長くなるのかなとちょっと思ってますね。日本がイニシアチブを握れてゲームを進めるのかなとは思いますね」
ーー日本は即時奪回する場面が目立ちますが、スウェーデンは攻守の切り替えの遅さと言いますか、そういうところにあまり慣れていない印象を受けます。勝機というのはどこにありそうでしょうか?
「まぁ、上手くはいってないとは思います。ごめんなさい、ワールドカップ予選を見てないんですけれども、勝ってないんですよね(スウェーデンは欧州予選4位、プレーオフの末にW杯出場権を獲得)?
チュニジア相手にああやって強みは出しましたけど、オランダ相手に逆に弱さ(を見せた)、ウィークポイントは日本のヒントになっただろうし、特にサイドからの攻撃はすごく日本にとってチャンスだなって改めて思いましたね」
ーースウェーデンで気になる選手はいますか?
「前の2人(ギョケレシュとイサク)プラス、(オランダ戦で)途中から入って点を取った選手(エランガのこと)、すごい速かったですね。あの選手が最初から出てくるのか。日本戦も出てくるんじゃないかなと思ってるんですけど、その選手を含めた前線の個は強いなとシンプルに思うので、(日本は)どういう選手をディフェンスラインに並べるのか、また注目したいですね」
「この先の流れも含めてどうしたいんだろう」気になる森保一監督の起用法
森保一監督はスウェーデン戦にどんな布陣で挑むのか【写真:田中伸弥】
ーーでは、日本代表の注目選手はいかがですか?
「まずボランチのところですよね。誰が出てくるか。コントロールするんだったら田中碧がそのまま出てくるかもしれないし、ディフェンスのところをより意識するなら鎌田をそのまま出すかもしれないし。そこのセットのところは注目ポイントですね。
なので、この間の良い流れという意味では、もしかしたら田中碧で来るかもしれないので、そこをまず見てみたいなと思いますね」
ーー決勝トーナメントやその先を見据えたときに、スウェーデン戦の起用方法は非常に悩ましいのかなと思います。ここまで2戦合計でフル出場している選手は、鈴木彩艶選手を除くと伊藤洋輝選手と佐野海舟選手の2人。順調にいろんな選手を起用できていると思いますが、森保監督だったらどういうふうに臨んできそうですか?
「まず、この間はびっくりしましたね。デビューする選手たちを結構多く使っていったところは、びっくりというか、本当に素晴らしいタイミングで、この先を見込んで試合に慣らしていくのは大事です。
慣らしていくしかないんでしょうけど、いざ出場というときにピッチに立って、経験があるのとないのとでは絶対に違うと思うので、この間の試合はそこも含めて100点満点だと思う。さらにそこから次は誰が出るの?っていうところですね…ごめんなさい、何ていう質問でしたっけ?」
ーー起用法が悩ましい中で森保監督だったら、次戦はどういうふうに臨んでいきそうでしょうか?
「まずは本当に勝たなきゃいけないので、もちろん引き分けでもいいと言いながら、そんな戦いはしないと思うので。まず勝てる先発は作っていくと思うし、流れが今良いので、この流れを続けたい思いもある。でも、上田綺世のところ、どう使っていくんだろう?
フォワード陣はやっぱり悩ましいところですけど、軸は変えたくないだろうなって。真ん中のセンターラインのボランチ、綺世とセンターバックのところをどうするんだろう。この先の流れも含めてどうしたいんだろう…。今回は中4日?」
ーー中4日です。
「ですもんね。その次が結構すぐですよね?」
ーーその後が現地時間6月29日なので、第3節と決勝トーナメント1回戦(ラウンド32)の試合間隔は中3日ですね。
「そうですよね。でも、そこまで考えないですよね。まず、今のコンディションでベストな選手たちを使う、もうそれだけだと思います。流れは渡したくないし、今の流れを続けたい。チームとしての勢いをさらに増していくには勝ちたい。上田綺世がああやって2点取ってくれて、(伊東)純也がもう1点取ってくれて、流れが来ていると思うので。
じゃあ、これを誰が繋いでいくのかは注目だし、ディフェンスは特に、この間無失点で本当に素晴らしい。その真価というか、価値はスウェーデン戦でさらに見えてくる。高められるんじゃないかと思うので、良い守備から良い攻撃は継続してやらないと。継続したメンバー配置というか、セットアップになってくるのかなと思います」