ジャンニ・インファンティーノ会長【写真:Getty Images】
国際サッカー連盟(FIFA)が進めるワールドカップ(W杯)関連事業への民間資本導入案を巡り、各大陸連盟の立場が分かれ始めている。欧州と北中米カリブ海は正式に拒否した一方、アジア、アフリカ、オセアニアは検討段階にあり、南米は現時点で明確な立場を示していない。
アジアとアフリカの判断が今後を左右
FIFAの構想は、男子・女子W杯などの放映権、スポンサー、チケット、ライセンス、大会運営を、新会社「FIFA Forward Enterprise(FFE)」へ集約するものだ。企業価値を約200億ドルと見積もり、外部投資家へ非支配の少数株式を売却して最大42億ドルを調達する。
FIFAは、9月19日までに加盟211協会の過半数が計画へ参加し、FIFA評議会が必要な変更を正式に承認することを実施条件としている。過半数に達するには、最低106協会の参加が必要となる。
欧州サッカー連盟(UEFA)は加盟55協会とともに、計画を全会一致で拒否。「W杯は売り物ではない」と断じ、案が完全撤回され、今後も大会や統治を民間所有へ開放しないとの保証が示されるまで、FIFA主催大会へ参加しない方針を表明した。
北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)も加盟41協会による会議で案を拒否。協議期間の短さや、FIFAの正式な統治手続きを経ていないことを問題視し、過去最高の収益を上げたW杯の直後に、外部投資を受け入れる必要性にも疑問を呈した。
アジアサッカー連盟(AFC)は、事前に相談を受けなかったことへ強い失望を表明したものの、47加盟協会として正式な拒否までは決めていない。サルマン会長は、必要な検討とFIFAとの協議が終わるまで、各協会が態度を決めないよう要請した。AFC加盟協会のうち、FIFAで投票権を持つのは46協会となる。
アフリカサッカー連盟(CAF)は翌週の理事会で計画を評価する方針を示し、加盟54協会にも個別の検討を要請した。
オセアニアサッカー連盟(OFC)も、11加盟協会とともに8月の理事会で協議する。南米サッカー連盟(CONMEBOL)は10協会を抱えるが、現時点で公式な立場を表明していない。
大陸連盟の決定が各国協会のFIFA投票を法的に拘束するとは限らないものの、欧州と北中米の90協会が反対を維持した場合、さらに16協会が反対または支持を見送れば、賛成側は106票へ届かない。
仮にCAF54協会、CONMEBOL10協会、OFC11協会がすべて支持しても合計は75票。FIFAが過半数を確保するには、AFCの46協会から少なくとも31票を得る必要がある。反対に、アジアで16協会以上が反対へ回れば、計画は事実上成立しない。
FIFAにとっては、アフリカの支持を固めたうえで、アジアを中心にどこまで賛同を広げられるかが焦点となる。投票の行方だけでなく、欧州勢によるFIFA大会のボイコット方針も重なっており、各大陸連盟と加盟協会の判断が計画の将来を左右することになりそうだ。
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