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FIFAで“内部分裂”…会長側近の上級顧問が辞任、W杯事業売却に反対 COOも痛烈批判「会長一人だけの計画」「職員は欺かれた」

text by 編集部 photo by Getty Images
ジャンニ・インファンティーノ会長

ジャンニ・インファンティーノ会長【写真:Getty Images】



 国際サッカー連盟(FIFA)が進めるワールドカップ(W杯)関連事業への民間資本導入案を巡り、組織内部の亀裂が表面化した。ジャンニ・インファンティーノ会長の上級顧問が抗議辞任し、最高執行責任者(COO)も計画へ公然と反対している。

FIFAで“内部分裂”

 FIFAの構想は、男子・女子W杯やクラブW杯などの商業事業を、新会社「FIFA Forward Enterprise(FFE)」へ集約するもの。企業価値を約200億ドルと見積もり、外部投資家へ約20%の株式を売却して、最大42億ドルを調達する計画だ。

 英『Sky News』によると、インファンティーノ会長の上級顧問を務めてきたカルロス・コルデイロ氏は31日、即時辞任を表明した。同氏は元米国サッカー連盟会長で、米金融大手ゴールドマン・サックスの元副会長。2021年からインファンティーノ氏の側近として活動してきたが、今回の計画には関与していなかったという。

 コルデイロ氏は「FIFA会長の上級顧問であり、元銀行員であり、生涯サッカーファンである私としては、FIFAがワールドカップの株式売却を検討しているのを黙って見過ごすことはできない」と説明。「加盟協会にとっても、サッカーにとっても、競技の長期的な未来にとっても悪い取引だ」と断じた。

 さらに、FIFAが数十億ドルの準備金を持ち、負債もないと指摘。既存資金で育成支援を拡大できるにもかかわらず、42億ドルを得るために最も価値ある資産の恒久的な持ち分を手放すことは、「正当な理由なくサッカーの未来を抵当に入れる行為だ」と批判した。

 内部からの反発は同氏だけではない。AP通信によると、FIFAのケビン・ラムールCOOも「職員は欺かれた」と主張。インファンティーノ会長が数か月にわたり計画を秘密裏に進めたとして、職員は「軽蔑や威圧ではなく、より良い扱いを受けるべきだ」と訴えた。



 ラムール氏は構想を「会長一人だけの計画」と表現し、「この計画を進めてはならない」と明言。発言によって自身が解任される可能性にも触れ、「それで職を失うなら仕方がない。少なくとも今夜はよく眠れる」としている。なお、同氏は現時点で辞任していない。

 これまでUEFA、CONCACAF、AFCなどが意思決定の不透明さを批判してきたが、インファンティーノ会長の側近と現職COOからも反対の声が上がったことで、問題は大陸連盟との対立からFIFA内部の統治危機へ発展した。

 インファンティーノ氏は2027年3月のFIFA会長選で再選を目指すとみられ、対立候補の立候補期限は11月18日とされている。側近の辞任とCOOの“反旗”は、売却計画だけでなく、同会長の求心力にも大きな打撃となりそうだ。

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