南米サッカー連盟(CONMEBOL)【写真:Getty Images】
南米サッカー連盟(CONMEBOL)は現地時間7月31日、国際サッカー連盟(FIFA)が進めるワールドカップ(W杯)関連事業への民間資本導入案について声明を発表した。計画への賛否は明らかにせず、FIFAに対して構想の詳細な説明を求めている。
FIFAの“W杯事業売却案”に態度保留
FIFAの構想は、男子・女子W杯やクラブW杯などの放映権、スポンサー、チケット、ライセンス、大会運営を、新会社「FIFA Forward Enterprise(FFE)」に集約するものだ。
企業価値を約200億ドルと見積もり、外部投資家へ非支配の少数株式を売却して最大42億ドルを調達する。FIFAは過半数の株式と競技上の決定権を維持し、得られた資金を世界各地の施設整備や育成、女子サッカーへ還元すると説明している。
ジャンニ・インファンティーノ会長は、この仕組みによって加盟211協会への開発資金を大幅に増額できると主張。商業的な価値を世界中へ公平に分配する「サッカーの民主化」だとしている。構想の実施には、加盟協会の過半数による支持とFIFA評議会の承認が必要となる。
これに対し、CONMEBOLは「最優先されるのは常にサッカー、その価値、人々、情熱だ」と強調。競技の発展には商業・財政上の判断が必要だと認めながらも、そうした判断はサッカーに奉仕するものでなければならず、「その本質より上に置かれてはならない」との立場を示した。
南米の10協会との協議を始めたことも明かし、FIFAに対して計画の範囲、組織構造、統治方法、将来的な影響について追加説明を要求。責任ある判断を下すためにCONMEBOL評議会を招集し、慎重に検討するとしている。現段階では支持にも反対にも回らず、判断を保留した形だ。
一方、欧州サッカー連盟(UEFA)と加盟55協会は、W杯を投資商品として扱うことはできないとして計画を全会一致で拒否。案が完全に撤回されない限り、FIFA主催大会へ参加しない方針まで打ち出した。
北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)も加盟41協会とともに反対を表明。協議期間の短さや、FIFAの正式な統治手続きを経ていない点を問題視し、民間投資ではなくFIFAが保有する準備金を育成資金へ活用するよう求めている。
アジアサッカー連盟(AFC)もUEFAとCONCACAFへの連帯を表明し、民間資本の導入と意思決定過程に「重大な懸念」があると指摘した。W杯ボイコットが議論される状況にまで発展したことを問題視し、FIFAの統治と意思決定の仕組みを緊急に見直すよう要求している。
欧州、北中米、アジアがそろって反対姿勢を鮮明にするなか、南米も無条件の支持を見送った。CONMEBOLが追加説明を受けてどのような結論を下すかは、構想の行方だけでなく、今後を左右する重要な判断となりそうだ。
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