【写真:Getty Images】
国際サッカー連盟(FIFA)は現地時間7月31日、ワールドカップ(W杯)関連事業への民間資本導入案を撤回すると発表した。ジャンニ・インファンティーノ会長は、各方面の意見を聞いた結果、構想が大きな分断を生み、当初掲げた目的に沿わない状態になったと説明。「我々の目的は常に団結し、改善することだ」とし、計画を進めない意向を明言した。
批判殺到の“W杯事業売却案”を電撃撤回
FIFAは男子・女子W杯やクラブW杯などの商業、運営事業を、新会社「FIFA Forward Enterprise(FFE)」へ集約。企業価値を約200億ドルと見積もり、外部投資家へ約20%を売却して最大42億ドルを調達する構想を発表していた。収益を加盟211協会の育成支援へ還元し、FIFAが新会社を恒久的に支配すると説明していた。
しかし、欧州サッカー連盟(UEFA)と加盟55協会は計画を全会一致で拒否し、完全撤回されなければFIFA主催大会をボイコットすると宣言。北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)も反対し、アジアサッカー連盟(AFC)も両連盟との連帯を表明した。南米サッカー連盟(CONMEBOL)も無条件の支持を見送り、詳細な説明を求めていた。
組織内部からも反発が噴出した。インファンティーノ会長の上級顧問カルロス・コルデイロ氏が「サッカーにとって悪い取引だ」として辞任。ケビン・ラムール最高執行責任者(COO)も、職員は計画について欺かれていたと訴え、「一人だけの計画」と公然と批判した。
FIFAは撤回表明の約20時間前には、誤った報道によって協議過程が妨げられたと主張し、加盟協会との協議を続ける方針を示していた。それだけに、今回の決定は事実上の全面降伏となる。
W杯から欧州勢が姿を消す異常事態はひとまず回避される見通しだ。一方、秘密裏に計画を進めたとする批判やFIFA内部の亀裂は残っており、売却案の撤回だけでインファンティーノ会長が失った求心力を取り戻せるかは不透明となっている。
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