長谷川健太監督「レアンドロはストライカータイプのFWではない」
加地不在時には右サイドの攻撃が機能しないのは近年抱える構造的な欠陥(クラブのマネージメントの問題だ)ではあるのだが、ボランチとサイドバックのパス交換はG大阪のスタイルを体現する上で不可欠な要素。前半終了間際に右サイドを崩して奪った先制点の予兆は、開始早々に早くも現れた。
前半10分に左サイドでボールを受けたレアンドロを起点に、遠藤らを経由して右サイドに。スペースに走り込んだ倉田が送り込んだグラウンダー気味のクロスはレアンドロには合わなかったものの、43分に奪った先制点はそのリプレイを見るような流れから生まれたものだった。
開幕前、圧倒的な優勝候補に目された理由の一つが、昨季J1で15試合14得点という暴れっぷりを見せた希代のストライカーの存在だ。
「今は試合が終わったばかりで頭に血が上っている。今しゃべると良くないことを口にしてしまいそうだから」と千葉戦後には、Jリーグ経験が長い背番号9ならではの賢明さで、不満を押し殺したレアンドロだが、サイドで起点となる事が多い役回りはベストとは言い難い。
長谷川監督は「レアンドロはストライカータイプのFWではない。上手く周りを使いながら自分も生きる」と札幌戦前に言い切ったが、このブラジル人FWが怖さを発揮するのはあくまでも相手ゴール前だ。
「ボールが回っていれば、レアンドロも自然とゴール前にいられる」と倉田も認めたように、札幌戦では本来の躍動感を見せたレアンドロ。3対1という快勝もさることながら、ゴールマシーンに漂う「再稼働」の気配が大きな収穫だ。
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