決定機をものにできず流れを相手に渡す
この試合の勝敗を分けたのは、浦和が前半に試合を決められなかったことに尽きる。先制点を奪い、たたみ掛ける決定的なチャンスがあったが決めきれない、そんな勝負弱さが、一番悪い形で試合結果に直結した試合と言えるだろう。
事実、相手監督に「浦和がそのチャンスを生かせなかったことが全北の勝利につながった」とも言われており、前半で試合を終わらせることも十分可能であった。
思い返せばリーグの大分戦も似たような部分があったのではないだろうか。2点を先制されこそしたものの、その後は試合を完全に支配して前半のうちに同点、後半に勝ちこすだけという状態でありながら、決めきれずに勝利を逃した。
相手のレベルの差こそあれ、チャンスを作りながら決めきれないというままでは、今後も苦しいシーズンを送ることにもなりかねない。
この解は二つある。
一つは、これは今すぐできるようになれと言ってももなかなか難しいことだが、チャンスでしっかり決めること。そしてもう一つ、爆発的にチャンスの数を増やすことが挙げられる。5回のチャンスで1点しか入らないのであれば、15回チャンスを作れば3点。そんなに簡単にはいかないだろうが今のやり方でやっていく以上、できるだけ自分たちのペースで長い時間試合ができれば、自ずとそうなっていくはずだ。
シーズン初戦で完敗を喫した広州恒大戦は、各選手が『先制点を許したことが非常に大きかった』と口にしており、チーム全体に内容自体は悪くなかった、という認識があった。その先制点を手にしたこの試合で、果たしてどのような試合運びを行うのかに注目していたが、先制点の優位を生かしきれずに敗北した。
ここで問われるのは、劣勢の状況からどうやって自分たちの流れに持ってくるか。それが課題の二つ目となる。
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