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サッカー界の”格差問題”が明らかに。世界の半数近くの選手は月給12万円以下

text by 編集部 photo by Getty Images

ドル、元
賃金や労働条件に大きな格差(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

 国際プロサッカー選手会(FIFPro)は、世界のサッカー選手の労働条件に関する調査結果を図示した「ワールドマップ」を15日付で公表した。先月末に発表された調査結果の詳細をグラフィカルに表す形で、サッカー界に存在する”格差問題”や、労働環境の問題点等が明らかにされている。

 欧州主要リーグで活躍する選手らは数億円以上の年俸をクラブから受け取っており、トップ選手では20億円前後にも達する。近年では中国資本の台頭も著しく、ワールドクラスのスター選手との数十億円規模の契約やオファーについての報道が盛んに飛び交っている。

 だが、そういった高額報酬を受け取ることができる選手は世界のごく一部でしかない。調査によれば、72万ドル(約8500万円)以上の年俸を受け取っている選手は全体の2%未満であり、その一方で45%以上の選手が月給1000ドル(約11万8000円)以下という条件でプレーしているという。

 金額面以外でも不安定な条件を強いられている選手は多い。世界のサッカー選手のクラブとの契約期間は平均22.6ヶ月で、2年間を下回る。また、41%の選手が給与遅延を経験しており、29%の選手が自らの希望に反する移籍を強いられた経験があると回答したとのことだ。

 世界中で9%の選手がサポーターなどからの暴力行為を、8%が差別を、16%が練習から外されるなどのハラスメント(嫌がらせ)を経験したと集計されている。また、7%の選手が八百長への関与を持ちかけられた経験があるというデータも示されている。

 調査対象に含まれた日本に関しては、「日本のサッカー選手たちはアジアで最高の労働環境のひとつにあり、暴力行為の被害にあったと訴えた調査対象選手は一人もいない。293名の選手のうち、契約が不当な形で破棄されたと答えたのは1名だけだった」と述べられている。一方で、調査を受けた8名の外国人選手のうち、5名が登録上の問題を経験したと回答したという。

【了】

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