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香川真司はレアル・マドリーに通用するか? ~欧州CL・ベスト16の見所~

text by 植田路生 photo by Kazuhito Yamada

ファーガソンが圧倒的に相性の悪いモウリーニョ

 もう1試合、レアル・マドリー対ユナイテッドの賭け率は、bwinではマドリーの勝ちが1.60、引き分けが4.40、ユナイテッドの勝ちが4.60(12日午後10時現在)。ウィリアムヒルでも1.61、4.00、5.00とレアル・マドリーが大きくリードしている。

 ここまで下馬評で差がついてしまったのは、レアル・マドリーのホームということもあるだろうが、ファーガソンとモウリーニョの対戦成績によるところが大きい。

 ファーガソンはモウリーニョのポルト時代、チェルシー時代、インテル時代の3クラブと対戦している。ポルトとは1敗1分、チェルシーとは1勝5敗4分、インテルとは1勝1分と大きく負け越している(しかもチェルシー時代の勝ちはPK戦でのものだ)。

 相性が悪い要因は、ユナイテッドの攻撃パターンがあまりに単調だったからだ。ファーガソンのチームは最後の局面は個人の力に頼るきらいがある。それで崩せる相手であればいいのだが、時に敵のキーマンにマンツーマンでつかせるなど、守備組織構築のスペシャリストであるモウリーニョからすれば実に与し易い相手だったのだ。

 そこで重要になってくるのが今日の試合のスタメンだ。初戦がアウェイということもあり、守備的に臨むことも考えられるが、「攻撃のバリエーション」「連動性」という点で、香川真司は先発で使ってくるのではないだろうか。

 香川は日本代表戦には出場したものの、直近のリーグ戦2試合は欠場。レアル・マドリー戦に向けた“温存”と考えられ、満を持しての登場となるが、問題はどのポジションで起用されるかだ。

 最近は日本代表と同じく4-2-3-1の「3」の左で使われ、またビルト紙の予想したこの試合での布陣では、4-3-2-1の「3」の中央となっている。だが、最も彼が活き、そしてユナイテッドの攻撃力を高めることができるのは、ダイヤモンド型の4-4-2のトップ下だ。それは、彼の持つ「収縮力」と「展開力」が関係している。

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