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香川真司はレアル・マドリーに通用するか? ~欧州CL・ベスト16の見所~

13日、チャンピオンズリーグのベスト16、シャフタール・ドネツク対ドルトムント、レアル・マドリー対マンチェスター・ユナイテッドの2試合が行われる。ユナイテッドのカギを握る香川真司。彼がユナイテッドにもたらす攻撃センスについて改めて紐解く。

text by 植田路生 photo by Kazuhito Yamada

シャフタール対ドルトムントは超ハイテンポな試合に

 13日、前日に続いてチャンピオンズリーグのベスト16のうち2試合が行われる。シャフタール・ドネツク対ドルトムント、レアル・マドリー対マンチェスター・ユナイテッドだ。前者は勢いのある2チームの対戦、後者はメガクラブ同士の対戦とあって、どちらを観戦するか悩んでいる人も多いのではないだろうか。

 まずはシャフタール対ドルトムントから見ていきたい。賭け率はbwinではシャフタールの勝ちが2.50、引き分けが3.40、ドルトムントの勝ちが2.65(12日午後10時現在)。ウィリアムヒルでも2.50、3.30、2.80とドルトムントが僅かにリードしている。

 シャフタールは攻撃にアクセントを加えていたブラジル人のウィリアンを39億円という高額でアンジ・マハチカラに売却。代わりに、メタリスト・ハリコフのタイソンを獲得した。アルメニア代表のトップ下ムヒタリアンを中心とした連動性のある崩しはそう簡単には乱れないだろうが、やはりウィリアンの抜けた穴は大きい。

 ドルトムントは出場機会の少なかったペリシッチをボルフスブルクに移籍させ、ボランチのシャヒンが復帰した。シャヒンは試合勘がまだ戻っていないが、左足から繰り出されるパス精度は健在。ギュンドアンの代役として出場時間を限定すれば、以前のようにチームに貢献できるはずだ。

 両チームの特徴は何と言ってもスピード。ボールを奪ってから、シュートチャンスをつくるまでの時間が他のチームに比べて圧倒的に短い。あまりにハイテンポに試合を進めるため、対戦相手がそのペースに巻き込まれ、リズムを崩してしまう。

 特にドルトムントのハイスピードは驚異的だ。グループステージではレアル・マドリーとカウンターの打ち合いを制した。これはひとえに、クロップ監督が普段のトレーニングから一瞬の判断力を徹底的に鍛え、またワンタッチパスにおける高い精度を求めていることから生み出されたものだ。

 クロップの独自の練習メニューについては昨年、木崎伸也氏が密着取材でその一部を入手。『欧州サッカー批評07』で紹介しているので、興味のある方は手にとってもらえれば幸いだ。

 どちらも攻撃的で、それでいて精度が高い。超ハイテンポで息もつかせぬ試合が展開されることだろう。

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