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鈴木政一監督率いるU-18日本代表を見る上で、必要な物差しとは?

text by 小澤一郎 photo by Kenzaburo Matsuoka

「上の代表にどれだけの選手を輩出できたか」という評価基準

 結局のところ、アンダーカテゴリーの代表監督はアジア予選や世界大会での結果も大きいが、一番の評価基準は「上の代表にどれだけの選手を輩出できたか」であるべきだ。

 改めて、AFC U-19選手権で敗れた2008年の牧内ジャパンと2010年の布ジャパンのメンバーを見返してみると、大会メンバー23名のうち15名以上が五輪代表やA代表どころかJ1の主力選手にもなっていない。

 2008年の牧内ジャパンの中でA代表まで残っているのは権田修一と香川真司の2名のみで、五輪代表としてロンドン五輪でプレーしたのは権田、村松大輔、永井謙佑の3名。現在、J1の主力級になっているのが青木拓也、水沼宏太、原口元気、柿谷曜一朗といった選手。

鈴木政一監督率いるU-18日本代表を見る上で、必要な物差しとは?
酒井高徳【写真:原田亮太】

 2010年の布ジャパンの23名のうちA代表に入っているのは酒井高徳、ロンドン五輪出場選手はその酒井と宇佐美貴史、杉本健勇の3名。J1主力選手は、遠藤航、菊池大輔、古林将太の湘南トリオと少ない。

 5年前、3年前は「将来有望な選手」としてAFC U-19選手権を戦った選手たちの今の厳しい状況を見るにつけ、当時の代表監督以下コーチングスタッフの選手を見る眼のなさと若手育成システムの不備を痛感させられる。

 だからこそ、10月から予選が始まるU-20W杯に向けたアジア予選での鈴木ジャパンの評価においては「五輪代表やA代表につながる選手かどうか」、「選手を上の代表に送り出せる監督かどうか」という物差しでU-18代表を見る視点も必要になってくる。

記事提供:サッカーを読む! Jマガ

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