長時間移動、圧倒的なアウェイサポ……。過酷な遠征に耐えたベガルタ仙台が執念のドロー

2013年04月26日(Fri)8時00分配信

text by 長沢正博 photo Masahiro Nagasawa
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ブリーラムからも仙台へのコールが

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試合後には“仙台コール”も【写真:長沢正博】

 試合中は熱くなるタイのサポーターだが、ゲームが終わると気持ちをすぐに切り替える。試合後、ブリーラムサポーターからは仙台コールが湧き、大きなブーイングが起きたのは不安定なジャッジを見せていた審判団が退場する時だった。会場の外では両チームのサポーターによる記念撮影も行われていた。

 最後に試合前日に見た光景を紹介したい。夕方、下見も兼ねてスタジアムに来ると、試合がないにもかかわらず、子どもたちが併設されたミニサッカー場で遊んだり、大人がジョギングをしたり、果ては芝生の上にブルーシートを敷いて寛いでいたりと、ブリーラムのユニフォームを着た多くの人々が訪れていた。

 敷地内にはコンビニやカフェ、キッズパークもあり、スタジアムが多くの人の憩いの場となっていた。なにより、チームが街の人々の間に根付いていることに感心した。そして、スタジアム前の広場で地元の子どもとサッカーをして戯れていると、帰る頃になって母親が「ホテルまで送っていくよ」と声を掛けてくれた。

 タイの東北地方の人々は人柄が良いことで知られている。それを実感した出来事だった。「ブリーラムの試合はいつも見に行っているわ。日本には遠くて行けないけどね」と話したその女性とは翌日、スタジアム内で偶然再会した。

 江蘇舜天に勝ったFCソウルのグループステージ突破が決まり、決勝トーナメントに進めるのは残り1チーム。もちろん日本の仙台に勝ち進んでほしいが、あのブリーラムのサポーターたちがタイ初の快挙に喜ぶ姿も見てみたい気持ちがあり、その狭間で私の心は少し揺れている。

【了】

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