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内田は守備に追われるもCL出場権へ前進したシャルケ。勝利に貢献したフンテラールの動きを徹底分析

text by 河治良幸 photo by Ryota Harada

エース復活を予感させるハットトリック

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フル出場を果たした内田【写真:原田亮太】

 後半13分に決めた2点目は内田のスローインから、ラファエルの速いクロスにダイビングヘッドで決めたもの。ルール・ダービーで内田のクロスに合わせたゴールは一瞬、相手のマークを外す形だったが、この場面はファーの方向に引く動きでマークを外したところから、センターバックのアオゴがクロスをクリアしようとする手前へ飛び込んだ。

 つまり、クロスとDFの軌道上に絶妙のタイミングで入っていったということだ。理屈はそうなのだが、ラファエルがクロスの体勢に入ってから2秒ほどの間に、一連のフィニッシュワークを実行しているところに、このストライカーの恐ろしさがある。

 そして後半21分の3点目は左からのリスタートを起点に、ドラクスラーが放ったクロスをGKアドラーが弾くと、咄嗟のリアクションで軌道に合わせ、ヘッドで流し込んだ。ドラクスラーがDFを縦に破り、ゴール前のニアサイドで待つラファエルが1人の守備者を引き付ける。

 その間にルドネフスのマークを外したフンテラールだが、アドラーが脅威的な反応で弾き、軌道がマイナスに変わった。しかし、それを分かっていたかの様に、一瞬のバックステップでアジャストしてしまったのだ。

 良い準備と動き出し、鋭いリアクション、そして正確なフィニッシュ。まさにオランダ代表FWのストライカーとしての能力が凝縮された至高のハットトリック。頼れるエースの復活は、ボルシアMG、シュトゥットガルト、フライブルクと続く残り3試合に明るい展望を抱かせるものとなった。

【了】

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