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Jリーグ 11年前

ガンバに立ち塞がるJ2チームによる包囲網 “西の横綱”は昇格のために乗り越えることができるか

鳥取戦で引き分けに終わったガンバ。その試合での改善点を修正し、勝ち点3をものにした岐阜戦。2つの試合から見えてくるのはガンバと対戦するというJ2チームにある高いモチベーションだ。“西の横綱”がJ1復帰をするためにはこの“ガンバ包囲網”を乗り越えなくてはならない。

text by 下薗昌記 photo by Kenzaburo Matsuoka

低調だった鳥取戦。長谷川監督「ゲーム内容は今季最低に近い」

 G大阪にとっては、長丁場のリーグ戦における42分の1にしかすぎないゲームでも、対戦相手にとっては1年でもっともモチベーションが高まる大舞台。いかにチーム状態が悪く、芳しくない成績が続いていようともG大阪相手には全てがリセットされた状態になることを前々節の鳥取が証明してくれた。

 G大阪戦を迎えるまでの3試合連続で黒星を喫し、計8失点。しかも開幕前のトレーニングマッチでは0対5で完敗していたはずの鳥取が、見違えるような士気の高さと堅い守りでJ2屈指のタレント集団を封じ込める。

安定した3バックと頼れるストライカーの存在

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今野泰幸【写真:松岡健三郎】

 4試合連続で無失点中だった堅守を完璧な形でこじ開けられ、レアンドロの得点で辛うじてドローに持ち込んだが、シュート数はわずかに8本。「ゲーム内容は今季最低に近い」と長谷川健太監督が振り返ったように、本来の迫力は鳴りを潜めた一戦だった。

 そんな試合展開を試合前日に予想していたのが今野泰幸である。「明日は難しい試合になる。相手はガンバ相手に自分たちの力を出し切って、負けていいと思って向かってくる。そういう相手を倒すのは難しい」

 チームが不調だったり、順位が低迷すればするほど、「弱者」としての割り切りは鮮明になる。鳥取に続いてホームに迎え撃った岐阜も、開幕から攻守において低調で順位は最下位。G大阪戦の前に挑んだ山形戦では初めて3バックを志向したが、長谷川監督は「鳥取戦と同じような感じになる。前に1人残して9人で守っていた」と分析した。

 勝って神戸との首位決戦に挑みたい優勝候補の最右翼と、降格の危機に瀕する最下位チームの顔合わせ。ホイッスルが吹かれる前から、攻めるG大阪、守る岐阜という構図は鮮明だった。

 岐阜戦で問われたのは守備面において確かな手腕を見せている指揮官の修正能力だ。上辺の得点数には一喜一憂せず、あくまでも決定機の数を重視する長谷川監督ではあるが、岐阜戦に向けて確かな手を打ってきた。

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