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勇敢さが仇となったドルトムント。勝機ある中で決勝点を許したのはなぜか?【CL決勝徹底分析】

ドイツ対決となったチャンピオンズリーグ決勝はバイエルン・ミュンヘンが2-1とボルシア・ドルトムントを振り切り、優勝した。押し込んだ時間帯もあったドルトムント。彼らはなぜ勝利を掴めなかったのか? 徹底分析する。

text by 河治良幸 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

ドルトムントとバイエルン、両者にあった有利な時間帯

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同点に追いつくPKを獲得したロイス【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

「バイエルンに対して、どのチームよりも良い試合をできたのではないか」(クロップ監督)

 88分にはリスタートのロングボールから、リベリーとロッベンに中央を破られる形で2点目を決められ、これが決勝点となったが、ドルトムントは持ち前の運動量を活かしながら“組織的なプレッシング”と“縦パスをつなぐ速攻”を組み合わせ、バイエルンをギリギリのところまで追い詰めた。非常にスリリングな試合展開の中でも、両者の形勢が傾いた時間帯は4つあった。

○10~25分 ドルトムント
スタートの膠着状態から徐々に守備のリズムを掴んだドルトムントが、中盤のボール奪取から鋭い速攻で立て続けにチャンスを得る。

○25~40分 バイエルン
厳しい時間帯をしのいだバイエルンが中盤でポゼッションを高め、ロッベンを起点に攻撃人数をかけてドルトムントのゴール前に迫る。

○60~75分 ドルトムント
1点ビハインドを負ったドルトムントが勇敢に攻勢をかけた流れでPKを獲得。同点としてなおも攻めにかかり、バイエルンも交戦したことでオープンな展開に。

○75~90分 バイエルン
オープンな展開が続いた疲労からか、ドルトムントの中盤がルーズに。ロッベンとリベリーのマークも緩くなり、決勝点を奪われる。

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