サー・アレックス・ファーガソンの奇妙な冒険〈番外編〉「彼はどこにでもいて、どこにでもいる」第三回

今季で勇退し、27年間にもおよぶマンチェスター・ユナイテッドでの監督生活に別れを告げたサー・アレックス・ファーガソン。彼の栄光の足跡と知られざる実像に迫る。

2013年06月02日(Sun)11時22分配信

text by 東本貢司 photo Kazhito Yamada / Kaz Photography
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ヘアドライアーの正しい定義

 ファーガソンの代名詞、いわゆる「ヘアドライアー」はすっかり有名になったが、正確には「ヘアドライアー・トリートメント」という。無論、ヘアケア用語ではない。「ヘアドライアー式の(手荒な)扱い方」という意味で、当然造語だ。

サー・アレックス・ファーガソンの奇妙な冒険〈番外編〉「彼はどこにでもいて、どこにでもいる」第三回
アレックス・ファーガソン【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 マンチェスター・ユナイテッドの評伝作家、ジム・ホワイトによると、創案者はマーク・ヒューズということになっているが、ライアン・ギグスとほぼ同期のリー・シャープ(左利きのウインガー)がどうやら“真犯人”らしい。

 シャープは“課外活動”の豊富なバリエーションでつとに悪名高い、いわば人生をとことん楽しむタイプの、つまりは表現力豊かな男だった。

 かつては「瞬間湯沸かし器」などと“和訳”されていたが、これはまったく舌足らずというべきで、「対象者(プレーヤーとは限らない)の鼻先数センチに立ちはだかり、髪の毛を逆立てて(あくまでも比喩)恐ろしく早口で罵倒する」が、正しい定義(c筆者)。

 前回ご紹介したフランク・マクドゥーガル辺りは初期の犠牲者ということになるが、当時はまだ“荒削り”で抑えが利かず(?)、故に思わぬ反撃を食らったのかもしれない。

 実は、一般にはほとんど知られていないが、この「ヘアドライアー」とは別にアレックス・ファーガソンを象徴する、いや、彼にしか適用されない“スペシャルフレーズ”が、もう二つある。「ファーギー・タイム」と「スクウィーキー・バム・タイム」だ。

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