ジーコ独占インタビュー「チームに違いを与えられるのは本田と香川だけ」

ドイツW杯の惨敗により酷評され、失意のまま日本を去った神様ジーコ。その後は欧州のクラブで実績をあげ、2011年電撃的にイラク代表監督に就任した。なぜイラクを選んだのか? そしてW杯最終予選で同組となった日本への思いとは? ブラジルに一時帰国したジーコを直撃した。

2013年06月11日(Tue)10時58分配信

text by 田崎健太 photo Kenta Tazaki
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【前編はこちらから】 | 【サッカー批評issue56】掲載

欧州に散らばる協会も把握していないタレント

――ブラジル開催である、次のW杯はあなたにとっても特別です。

「そうだね。母国で開かれるW杯に出ることは、強いモチベーションになっている。監督業を再開すると、またメディアにぼくの名前が取り上げられるようになった。サッカー界で注目されて、身が引き締まる思いだよ。

 イラク代表の選手たちは、日々のまともな生活を送ることも困難だ。そうした選手をW杯に連れて行きたいという気持ちは強い。

ジーコ独占インタビュー「チームに違いを与えられるのは本田と香川だけ」
イラク代表選手を指導していたジーコ【写真:田崎健太】

 確かにイラクの状況は良くない。ただ、日本に勝っている面もないわけではない。アジアの中で、イラク人は体格的に抜きんでている。さらに技術もある。

 日本にあるようなトレーニングセンターがあれば、どれほどいい選手が出てくるだろうかと思う。もちろん、そうしたものがないから、彼らの戦おうという強い気持ちがあるんだけれどね」

――イラク国内リーグは運営されているんですか? そしてそれを視察しているんですか?

「20チームのリーグがある。草サッカーをやるような土のピッチで試合をしている。ぼくは1試合も観に行っていない。全部ビデオだ。エドゥーとモラシー(・サンターナ、フィジカルコーチ)は現地で観ている。ただ、現在代表に呼んでいる以上の選手はいないだろう。

 それよりも国外に散らばっている選手に注目している。18、19才のイラクの国籍を持つ選手が欧州各地でプレーしている。困ったことに、その選手たちを協会は把握していない」

――欧州のクラブでプレーしているんですか?

「そうだよ。色んなところにいる。ビッグクラブではないけどね。多少知られているのは、年齢別のオランダ代表に選ばれている選手だ。オランダの国籍も持っているから、A代表に呼ばれるとイラク代表の権利は失ってしまう。ただ……(笑いながら)ぼくならば、オランダ代表を選ぶだろうな。

 あとはスウェーデンにいいセンターフォワードがいるらしい。彼も二重国籍で、どちらの代表を選ぶか迷っている。ぼくと話したがっているんだ」

――まだ若い選手?

「21、22じゃないかな。まだスウェーデンでは代表に選ばれたことはないが、可能性はあるらしい」

――イラクを選べと説得するんですか?

「まずは実際に彼のプレーを見てからだな。イラクを選んでくれても、代表に呼ぶかどうかは約束できない。他にもイングランドやデンマークでプレーしている選手がいた。

 今は、『YouTube』でそうした選手の映像を検索することができる。ぼくらが探してリストを作って、協会にコンタクトをとってもらっている。近々、欧州で集めて実際に自分の目で見るつもりだ」

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