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連載コラム 11年前

元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第2回・VONDS市原監督としての第一歩

2月4日 On the pich

 初の練習試合。

元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第2回・VONDS市原監督としての第一歩
初の練習試合にて初采配する西村監督【写真:©VONDS市原】

 その一週間後には天皇杯につながる千葉県選手権の一回戦が控えていたので、大きく今までのやり方を変えたり、自分の色を一気に出すのではなく、こちらからの要求の量を極力少なくすることを心掛けた。

 昨年の試合を何試合を見てきて感じていたことは、ポテンシャルが高い選手はいる。しかしボールを持った時はプレーが雑なところ、守備においてはポジショニングとチーム内の共通意識が低いと感じていたので、就任してからはまずはそこに取り組もうと思っていた。

 今では少しなれてきたが、初めて自分がスターティングメンバーを決める時にはこんなにもエネルギーがいることなのかと驚いた事を覚えている。今まではずっと選ばれる側だったので、気付かなかったが、選ばれてプレーする責任と選んでプレーさせる責任というのはまた随分と違うものだと感じた。

 この試合に限っては試合前の指示も極力シンプルなことしか伝えなかった。

 言ったのはプレシーズンなので、まずは自分の特徴を積極的に出してほしいということ。怪我に気を付けて、自分のコンディションに注意を払ってほしいということ。どうしたいか周りの味方に自分の考えを伝えながらプレーしてほしいということ。戦術的には攻撃ではパスの質、パスをつける足まで意識してプレーしてほしい。守備では奪われた瞬間に近くの選手はボールを奪い返しにいく、遠い選手は自分のポジションに戻るようにしてほしいという2点だけ。

 それが自分の初采配最初の試合前の支持だった。

 試合は45分×3本。結果は2-1、1-1、0-2。トータルでは3-4だった。プレシーズンだったので結果は気にしてなかったが、「いよいよ始まった!」というなんとも言えない充実感と期待、また不安など色々な感情が入り混じり、しばらくは興奮状態が続いていた。

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