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「世界の壁」は本当にあるのか?

text by 宮崎隆司

20年後の日本は世界4強入りを果たす?

 欧州各国は、長足の進歩を遂げた日本サッカー界に深い畏怖の念を抱いているからこそ、時間の経過と共に大きくなる日本の足音に怯え始めている。

 とすれば、もはや気持ちの面では、「欧州恐れるに足らず」、そして「いつか世界トップに追い付くのではなく、追い越す」と我々は堂々と述べて良いはずなのだ。

「本場」への敬意は払いながらも、しかし過度な欧州崇拝をやめ、独創性のなさや肉体的なハンディを嘆くのではなく、われわれ日本人ならではの献身性こそを最大の武器とするサッカーを貫き、地道な努力を今まで通り、ときには今まで以上に重ねていけば、20年後に日本はその緻密なサッカーで世界の4強に名を連ねることも決して不可能ではない。

 なおも本場の一角とされるイタリアのサッカー現場に深く潜り続けながら、今日にして強烈に感じるのは、この国がW杯4度制覇を成し得たのであれば、それを我が日本に出来ないはずはないという確信だ。

 本場との比較で劣る部分ばかりに目をやるのではなく、逆に本場にはない日本独自の資質にフォーカスすれば、導き出される答えは自ずとそうなる。

 したがってまずは、「世界の壁」なるものは、今や“完全かつ最終的に”取り払われたと考えるべきなのだ。

【了】

初出:サッカー批評issue59

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