フットボールチャンネル

マンUでの飛躍を誓った香川真司。“背番号10”が語る日本代表に足りない“意識”とは?

text by 元川悦子 photo by Kenzaburo Matsuoka

フィニッシュへの課題を感じたイタリア戦とメキシコ戦

 19日のイタリア戦ではその不完全燃焼感を多少なりとも払拭できただろう。右ショートコーナーからの芸術的な2点目は海外メディアやFIFA関係者からも高く評価され、マン・オブ・ザ・マッチにも輝いた。

「うまく反転できて、押さえることを意識していました。チームにとってもいい場面でゴールを奪うことができたし、冷静に決めることができたと思います」と本人も素直に喜びを口にした。

 それでも結果は3-4の逆転負け。「イタリアはブラジルより個人の力はないし、攻撃も単調なプレーが多い。それでも競り負けるのが日本のウイークポイント」とハッキリと苦言を呈した。

「後半立ち上がりに自分たちのくだらないミスで逆転を許したのが精神的に痛かった。それでも、持ち直して同点に追いついたのはよかったけど、結局もう1点を奪われた。やっぱりイタリアとの決定力の違いはある。自分たちの方がチャンスは多かったのに、僕自身も含めて決めきれていないところが多かった」と彼は改めて決定力不足という大きな課題を痛感した。

 22日の最終戦・メキシコ戦では2試合で直面した課題を少しでも改善し、1年後のW杯本大会へ布石を打ちたかった。しかし香川はまたもフィニッシュの課題に直面してしまう。

 開始5分に遠藤保仁のスルーパスに抜け出しGKと1対1になりながら先制点を奪えなかったのだ。岡崎慎司のゴールも幻と消え、優勢だった序盤20分間に結果を残せなかった。その後は体力消耗とともにチーム全体がガタ落ち。香川は同じクラブのライバル、エルナンデスの大活躍を嫌と言うほど目の当たりにさせられた。

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top