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マンUでの飛躍を誓った香川真司。“背番号10”が語る日本代表に足りない“意識”とは?

text by 元川悦子 photo by Kenzaburo Matsuoka

自分はまだ違いを生み出せる絶対的な存在ではない

マンUでの飛躍を誓った香川真司
さらなる輝きを期待したい【写真:松岡健三郎】

「別に何も残らなかった試合というか、日本らしくしっかり負けたというか。トライはしたけど負けたんで、今までと何も変わらなかったと思います」と彼は淡々と語った。

 ブラジルのネイマール、イタリアのバロテッリ、メキシコのエルナンデスは決めるべきところで決めてくる。しかし香川は彼らほどの決定的な仕事はできなかった。彼はチームを勝利へと導くゴールを求められる選手だ。

 ブラジルW杯までの1年間に自分自身のレベルアップを図らなければ、日本を勝利に導くことはできない。そんな責任感にもかられた気持ちは、言葉の端々から感じ取れる。

「今回みたいな結果を繰り返さないためには、いつも言っていますけど、個人とチームのレベルアップっていうのは最低限必要。メキシコ戦の後半なんてハッキリ言ってみんなバラバラだったし、メキシコの方が勝ちたい気持ちが強かった。

 僕らはすごくあいまいな感じで攻撃をやってて、オカちゃん1人が頑張ってただけ。トライしに来たのにすごく情けない結果になってしまいましたね。

 僕自身、プレミアでしっかり結果を残して、こういう国際舞台に日本代表として出た時にもっともっと脅威になれる選手にならないといけない。そのためにもマンチェスターでもっと個を磨いて、ゴールだったり、仕掛けることだったりを増やしていかないと、代表では厳しいのが現状。1人ひとりがそういう姿勢を持って、その意識をより高めてあと1年やらないといけない。時間はないと思っています」

 香川は常日頃から「マンチェスターにはルーニーとかファンペルシーみたいに絶対的な違いを生み出せる選手がいるけど、自分はそこまでの域には達していない」と自戒を込めて語っていた。

 いかにして「違いを生み出せる」存在に飛躍するのか。その大きなテーマをブラジル本大会までにクリアしなければならないが、それがそのまま代表の成長につながることを、彼は強く感じている。ブラジルで味わった悔しさを、1年後、同じ地で雪辱するために、マンチェスターでのさらなる輝きを期待したい。

【了】

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