イタリア戦でも不完全燃焼だった本田
6月4日のオーストラリア戦で後半ロスタイムに重圧がかかるPKを決め、日本をブラジルW杯出場へと導いた本田圭佑。
翌5日の本大会出場記者会見ではチームメートそれぞれの課題を公の場で指摘し、直近のコンフェデに対しても「テストじゃないんでね。しっかり勝ちに行くんで、それは揺るがないです。超強気で行きます」という強気の物言いを見せていた。
そんな有言実行男がブラジル、イタリア、メキシコ相手にどんなプレーを見せるのか。多くのサッカーファンが注目していたことだろう。
ネイマールの一撃で消極的な姿勢になってしまった15日の初戦・ブラジル戦で、本田だけはどこまでも強引にゴールを奪いに行こうとしていた。個の力では相手と互角に対峙する場面もあり、世界に通じる可能性を示した。
続く19日のイタリア戦では、岡崎慎司が奪ったPKを迷うことなく蹴り、名手ブッフォン相手に先制点をゲットする。香川真司の2点目につながるショートコーナーを選択したのも彼だった。2-3と逆転された後も果敢にゴール前に詰め寄り、香川らと絡んで攻撃チャンスを作る。その姿勢は世界にも少なからずインパクト残した。
だが、本田は3-4の逆転負けに対して不完全燃焼感を露わにした。
「正直、いい試合をしたとは思わないし、この2試合で大会が終わってしまったというのが事実。オレは散々だったし、PKでの得点しかないということをしっかり受け止めて、またしっかり出番をもらえるよう、準備していきます。プレーのことはね。今日はこれだけにしてもらいたいです」と短く言葉を発してミックスゾーンを後にした。
優勝を目指していた大会で、2戦目で早々と脱落してしまった悔しさがそういう行動を取らせたのだろう。