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連載コラム 11年前

W杯前に知るべきブラジル・フッチボール。サッカー大国ブラジルに大きな影響を与える、欧州サッカーの隆盛

レアルマドリー単体では集客力を持てなかった

 レアルマドリーには、ブラジルのロベルト・カルロス、アルゼンチンの天才フェルナンド・レドンドそしてサビオ、スペインのラウル、カシージャス、モリエンテス、フランスのニコラ・アネルカ、カメルーンのサミュエル・エトーと世界各国の才能ある選手が揃ってた。

 またマンチェスター・ユナイテッドにもデビッド・ベッカム、アンディ・コール、テディ・シェリンガム、ライアン・ギグス、ロイ・キーンがいた。日本で開催すれば、両チームの試合はあっという間に完売しただろう。ぼくも叶わなかったものの、この時期に合わせてブラジル入りすることを検討した程だった。

 ところが――。

 サンパウロのモルンビースタジアムで行われた開幕戦、レアルマドリー対アルナスルの試合の観客は公式発表で12,000人にしかならなかった。

 実数は分からない。ただ、観客席はがらがらだったことは確かだ。レアルとアフリカのラジャ・カサブランカとの試合も18,000人と伸びていない。レアル戦の観客数が55,000人と膨れあがったのは、地元コリンチャンスとの試合だった。

 ブラジル人のロベルト・カルロスがいたにも関わらず、レアルマドリー単体ではブラジルで圧倒的な集客力はなかった。

 この大会でレアルはグループ2位で決勝トーナメントに進出したものの、もう一つの予選グループに入っていたマンチェスターは3位で敗退した。大会の決勝はコリンチャンスとバスコのブラジル同士の対戦となった。リオのマラカナンスタジアムで行われた試合には73,000人を集め、開催国枠のコリンチャンスが優勝した。本来ならば出場権のないクラブが優勝するという、不思議な大会だった。

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