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日本代表 11年前

攻撃が活性化し豪州に勝利。その一方で、なぜザックジャパンは簡単に失点してしまうのか?【どこよりも早い日本代表採点】

シリーズ:どこよりも早い採点 text by 植田路生

なぜ失点を重ねてしまったのか?

 齋藤学のゴールを含めた個人技、そして2つの決定機を着実に決めた大迫は素晴らしい出来だった。接戦をものにし、勝ち切ったのは大きい。そこは評価すべきだろう。

 だが、後半30分過ぎに立て続けに2失点してしまったことは大いに反省すべきだ。この試合は完全に日本のペースであり、3-0、4-0で勝利しても不思議ではなかった。初戦に続き、みすみす相手に流れを渡してしまった。

 中国戦と同じく試合終盤での失点。疲れで足が動かなくなってことも影響している。サイドバックの2人が高い位置でチェックに行けなくなり、相手に攻撃をさせる隙をつくってしまった。

 それよりも重要な問題は、集中力が切れてしまい、自分たちで試合をコントロール出来ないことだ。オーストラリアの1点目はなんでもないロングパスからだった。まず、鈴木大輔が不用意に飛び出してきてしまった。あそこは徳永悠平に任せて良かった。

 そして徳永がヘディング処理を誤り、それをつながれた。徳永はミスはしたが、マークしていた選手を離さずにしていればスペースに回りこまれるようなことはなかった(実際はオフサイドの可能性もあるが)。基本的なことで、もったいない。

 2点目は山口螢のチェックが甘くクサビを入れられた。鈴木大輔が飛び出して止めようとしたが、あっさりかわされた(千葉和彦はノーチャンスか)。集中している時間帯であればあり得ない守りだろう。

 求められるのはDFリーダーだ。疲れている時間帯にどう守るべきか、的確な指示を送る選手が必要だ。この試合に限れば、キャプテンの高橋秀人が試合を締める役目を担えば良かったのではないか。チームを懸命にまとめようとする意図は感じられたが、もっと厳しくなってもいい。

 これはベストなメンバーが揃ったときにも言えることだ。集中力が切れている選手には(時に自分のことを棚に上げてでも)胸ぐらをつかむくらいの勢いで叱責する鬼となる選手が欲しい。

 韓国戦は厳しい試合になる。過去を振り返っても向こうは実力以上のものを出してくる。2戦目までのような緩さでは勝てないだろう。

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