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大物加入は逆にプラスに? マンUの補強戦略から読む新シーズンのスタイルと香川の使い方

text by 内藤秀明 photo by Asuka Kudo / Football Channel

ルーニーが移籍してセスクが加入した場合

香川真司
トップ下におさまるのはセスクもしくは香川だ【写真:工藤明日香(フットボールチャンネル)】

 この場合、トップ下におさまるのはセスクもしくは香川だ。香川がトップ下ならセスクはセントラルMF。香川がサイドハーフならセスクがトップ下になるだろう。もしくはフォーメーションが4-2-3-1から4-1-4-1に変化する可能性もある。

 実際、ルーニーのいないプレシーズンマッチのタイ選抜戦においては、後半途中まで4-1-4-1を使用されていた。なんにせよ、ルーニー放出はユナイテッドのサッカーが大幅に変化する合図かもしれない。

 それは何故か。英国的フットボールの申し子であるルーニーがいなくなれば、そのフットボールは機能する可能性が低くなる。また、セスクや香川の資質を考えれば、ポゼッションに移行したほうが全体はうまく回り、2人も輝く可能性が高いからだ。

 では具体的にルーニーとセスクや香川がどう違うかと言うと、ルーニーと違ってセスクと香川は、フィジカル任せでボールをキープし、状況を打開出来るタイプではない。そのため周りの選手とポゼッションしながら、良い形でボールを受けた時に、パスで違いを作りつつ得点も決められる選手がセスクであり、ファーストタッチやドリブルで違いをつくりつつ得点が可能なのが香川だ。

 これらを考慮すれば、ルーニー移籍、セスク加入はポゼッション志向へ大幅変化の合図に見える。ただ新監督1年目でこの大きな変化はあまりにリスクが高いのではないだろうか、可能であるなら、避けるべき展開だ。

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