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Jリーグ 11年前

昨季同様の失点ペースのガンバ大阪。守備陣立て直しのカギを握る19歳の大型CB西野貴治

宇佐美、ロチャが結果を残し、首位をキープしているガンバ大阪。しかし、守備陣は失点を重ね、昨季と同様の惨状だ。改善のカギを握る選手がいる。19歳だが、高さがあり、長谷川監督も期待を寄せる西野貴治だ。

text by 下薗昌記 photo by Asuka Kudo / Football Channel

得点はとれているが、守備面は改善の余地が

「そろそろ、カチッとしたサッカーをしたい」(長谷川健太監督)。

長谷川健太監督
長谷川健太監督【写真:工藤明日香(フットボールチャンネル)】

 遠藤保仁と今野泰幸の両代表コンビを欠いた6月には、代表不在を感じさせない5試合で計1失点の堅守が、7月以降は見る影もない。7月以降の6試合で無失点試合がないどころか、失点数は計13。ここ3試合に限れば、毎試合3得点を奪っているものの、「3点を奪わないと勝てない」という昨年のリーグ戦に近い有り様だ。

 ただ、守備戦術の構築には特にこだわりを持つ指揮官に焦りの色はない。

 長谷川監督は言う。「本当にもう一度、チームを作り直しているようなもの。ある程度想定はしていた」。

 前線からの守備でも貢献度が高かった倉田秋が負傷で長期離脱を強いられ、レアンドロも退団。得点数を見ても明らかなように宇佐美貴史とロチャの新2トップは攻撃面でこそ、2人の穴を埋めているものの、ファーストディフェンダーとしては、まだチーム戦術にフィットし切っていない。

 前節の岡山戦に献上した先制点に関しても、起点となった相手の最終ラインに対して宇佐美がややルーズなチェイスを見せ、あっさりと縦パスを許している。

 一方で宇佐美の復帰後、ロチャとのコンビで計6得点を叩き出すなど攻撃面に関しては十分に及第点。長谷川監督も「宇佐美に関しては得点力の良さを出させたい」と過度に守備面の負担を押し付けるつもりはない。

 前線からのプレスと、ブロック形成の使い分けをしてきた今季のG大阪だけに新戦力が守備戦術にフィットするのはある程度時間を要するだろう。

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