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清水復帰が濃厚。大前元紀はなぜドイツで成功出来なかったのか?

昨季、デュッセルドルフに移籍した大前元紀。しかし、出場機会に恵まれず、思うような成果を上げることは出来なかった。チームが2部に落ちた今季もベンチ外が続き、清水への復帰が濃厚と言われている。Jリーグで結果を出したFWはなぜドイツで成功出来なかったのか?

text by 本田千尋

苦しい状況が続く大前

 チームの幸先の良いスタートも、大前元紀にとっては苦しい状況が続いていた。

 1部昇格を至上命題としてブンデスリーガ2部の開幕戦をホームで戦うこととなったデュッセルドルフは、初戦の相手として昨季2部を8位で終えたコトブスを迎え撃った。

 開幕まで約1週間前のテストマッチ、ASモナコ戦の後に、「開幕戦ではスタメンを狙っていきたい」と語った大前元紀は、残念ながらベンチ外で初戦のホームゲームを迎えることとなった。

 大前が主戦場とする右サイドで先発出場したのは、マティス・ボリーだ。2013年の1月にノルウェー1部リーレシュトロームSKから新加入したアタッカーは、同時期の加入、同ポジションという意味で、大前にとって正真正銘のライバルと言えた。

 長身の褐色のアタッカーは、185cmというフィジカルを活かして、攻守両面においてチームの闘いに貢献した。右SBで先発出場したトビアス・レベルスとの連係はスムーズで、ボリーが中央に絞ってレベルスにスペースとパスを供給する。逆にレベルスからパスを受けたボリーが右サイドをドリブル突破した。

 守備面では、攻撃参加後もキッチリ持ち場に戻り、マッチアップした相手の左SBビトロフを常にマークし続けた。ボリーのマークを受けたビトロフは、好機をほとんど生み出せなかった。

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