フットボールチャンネル

日本代表 11年前

代表定着を目指す山口螢。成長のために「争うより学ぶことの方が多い」と語る貪欲な姿勢

東アジア杯に続き、ウルグアイ戦でも代表メンバーに招集された山口螢。しかし浮かれた様子は微塵もない。地に足の着いた状態で、フル代表定着を目指す。

text by 小田尚史 photo by Asuka Kudo / Football Channel

冷静さを失わない山口

20130811_yamaguchi_kudo
冷静さを失うことのない山口螢【写真:工藤明日香】

 ロンドン五輪が終わり、次に目指すべき場所はフル代表となった昨季の夏以降、「フル代表に入るにはまだまだ足りないものが多い」という言葉が山口螢の口癖だった。

 また、今季はチームでは2列目で起用されていたため、「(代表で選ばれるとしたら)ボランチだと思うので、今はあまりアピールにはならない」とも話していた。

“現実を見失う”ということが、山口には、ない。取材対象者として接する山口は、常に自己に厳しく、声のトーンは一定である。勝った後も、負けた後も、自身がゴールを決めた後も、自身の出来が今一つであった後も……。

 表情に多少の違いこそあれど、淡々と、冷静に、その場で起きたことをしっかり話す。メディア対応と同様、プレー面でも年を追うごとに安定感は増し、チームに欠かせない存在となった。

 プロ入り直後はプレーでもメンタルでも波があったが、ロンドン五輪で予選・本戦を通じて主力として戦い抜いた中で、現在のスタイルが形作られていった。

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top