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日本代表 11年前

ウルグアイ戦で先発濃厚の柿谷曜一朗。代表に定着し、前田遼一を超えるために必要なこととは?

text by 元川悦子 photo by Asuka Kudo / Football Channel

献身的な守備をすることができるか?

 ただ、2010年南アフリカワールドカップ4位、2011年コパアメリカ優勝、6月のコンフェデレーションズカップ4位という強豪・ウルグアイは、そう簡単に裏を取らせてはくれないだろう。

「南米の相手だから強いし、体もガッチリしている」と柿谷も相手のレベルの高さを認める。A代表レベルの国際経験の薄い彼にとっては「未知なる世界」といってもいいかもしれない。

柿谷曜一朗
「フォア・ザ・チーム精神」を前面に押し出す新たな柿谷曜一朗の姿が見られるのか【写真:工藤明日香(フットボールチャンネル)】

 だからこそ、攻撃以上に守備面の献身性が求められる。

「戦術面で一番気を付けるのはディフェンス。ファーストディフェンダーになるのはもちろん、チームとしてのやり方をしっかりやるのが一番重要かなと思います。ボールの追い方はそんなに細かくはないけど、右から行くのか、左から行くのかっていうのがありますし、後ろの声がかかった時に行くかどうかの判断もある」

 彼は彼なりに1トップの守備の責任を果たそうと懸命だ。そうしなければ、体を張った守りでチームに貢献してきたベテランFW前田遼一からポジションを奪うことはできない。その競争の厳しさは本人が一番よく分かっている。

「1トップで出るチャンスがあれば、ホンマにチャンス。強いところには勝ちたいですし、自分が出た時にはしっかり活躍したい。ただ、代表の時はチームコンセプトを頭に叩き込むことが何よりも重要になってくる。そのうえで勝ちたいですね」

 これまで以上に「フォア・ザ・チーム精神」を前面に押し出す新たな柿谷曜一朗の姿が見られるのか。そして、本田や遠藤らとの共演で彼の非凡な才能が開花するのか…。今回のウルグアイ戦で新世代のアタッカーに懸かる期待は大きい。

【了】

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