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日韓サッカー、そして旭日旗を考える。

text by 宮崎隆司 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography 構成 編集部

日韓交流戦復活の噂はあるが…

 その私は個人的には「スポーツと政治」は必ずしも別とは言えないと考える立場だが、とはいえ、FIFAにせよUEFAにせよ各国のリーグにせよ、現行のルールで両者の混同を厳しく禁じているのだから、それに従うのは当然である。ルールは「掟」とも言い換えることができる。周知の通り、掟とは絶対に破ってはならぬものだ。
 
 いかがであろうか、互いに思うところは数多くあるとしても、それを「腹に納めて」ただ純粋に、正々堂々と、潔く蹴球のみの力で勝負しようではないか。

 それができなければ、仕方がない。先ほど述べたように、顧みて改めることができなければ、やはり「未来はない」ということになる。不毛にして徒労でしかない論争の繰り返しはやはり互いにとって無益でしかないからだ。

 そうであれば、来年から復活かとも言われている「日韓交流戦」などは論外、絶対にやるべきではない、となる。あの2007年の試合で浦和の選手達が壊されなかったのは僥倖と言うしかない。仮に続ければ、いつの日か、日本代表メンバー複数の選手生命が断たれる事態にもなるやもしれない。そうならぬことを切に祈る。だが、そうなってからでは遅いのである。

 今月はじめ、日本政府が旭日旗の使用について「特定の信念や軍国主義の主張には当たらない」という見解をまとめていることが明らかになった。日本サッカー協会の定める試合運営管理規程には“旭日旗”に関する文言は今のところない。果たして協会は政府見解を受けて明確なルールを設けるのか。今後の動向に注目したい。

【了】

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